関東経済産業局消費者相談室の令和3年度における消費者相談処理件数は、2,218件で 前年度比9.6%の増加となりました。
『特定商取引法関係』をみると「通信販売」「特定継続的役務提供」の相談件数が前年度に比べ減少し、「訪問販売」「電話勧誘販売」「連鎖販売取引」「業務提供誘引販売取引」「訪問購入」の相談件数は増加しています。
1. 項目別相談件数

- 『先物取引』とは、国内や海外の商品先物取引(旧商品取引所法及び旧海外商品市場における先物取引受託等に関する法律の適用を受ける取引)に関する相談をいいます(金融先物取引等に関する相談は所管外のためここには含まれません)。
- 『契約その他』とは、『特定商取引法関係』、『割賦販売法関係』及び『先物取引』に該当しない当省所管物資及び役務の契約に関する相談をいいます。
- 『個人情報』とは、個人情報の保護に関する法律等を含む個人情報に関する相談をいいます。
- 『その他』とは、当省の所管する法令又は物資に直接該当しない相談をいいます。
2. 消費者相談件数の推移

※「先物取引」・「個人情報」は平成18年度より追加
※「訪問購入」は平成24年度より追加(平成25年2月21日改正特商法施行)
3. 項目別構成比の推移

4.消費者相談の内訳
(1)相談概要

(2)相談概要
〈訪問販売〉
昨年度に引き続き、自宅の屋根や外壁など住宅関係の修理工事や保険申請サポートのトラブルに関する相談が多く見られました。「近所で工事をしている。お宅の屋根瓦がずれている。このままでは雨漏りする。」などと言って、突然、自宅を訪問した事業者から「保険金を使って自己負担なく修理ができる」と言われ、損害保険申請サポート契約と屋根などの修理工事を契約したが、契約内容に不明な点が多いため解約したいといった事例や、「調査は無料、火災保険の保険金で修理ができる、申請のお手伝いを無料でするので保険金を申請しないか。保険金が下りなかったら支払いはない」などと言って、損害保険の申請サポートを契約したが、調査、サポートは無料であるものの、実際に下りた保険金額の45%の業務報酬を支払う契約になっていたという事例です。このほか、トイレの水漏れをみてほしいとインターネットサイトで「基本料金○○円~」と安価な代金を表示した事業者を呼んだところ、次々と作業を行い最終的に高額な費用を請求されたといったくらしのレスキュー関連の相談も多数寄せられました。
〈通信販売〉
インターネット通信販売におけるトラブルの相談が引き続き多く見られます。「初回無料」や「回数縛りなし」「いつでも解約OK」といった広告を見て、1回きりのお試しのつもりで商品を注文したところ、商品が複数回届き、実は定期購入だとわかり、高額なので解約したいなど定期購入に関する相談が数多くありました。また、テレビの通信販売のコマーシャルをみて初回のみの特別価格で健康食品単品を購入しようと電話したところ、「数ヶ月続けないと効果がない」とオペレーターに同じ健康食品の定期購入を勧誘されて契約してしまったといった相談も寄せられました。
このほか、解約専用ダイヤルに電話しているがいつかけても電話がつながらないので解約手続きできない、返品についての記載がない、一年以上前に支払い済みで領収書もあるのに支払の督促状が届いたといったトラブルも多くあります。
〈電話勧誘販売〉
SNSで副業を探して、「手持ちの写真を投稿するだけで稼げる」という広告を見て副業マニュアルを購入すると、「内容を説明するから予約を取ってほしい」と言われ説明を受けるために日時を予約したところ、事業者から電話があり高額なサポートコースの勧誘を受け契約をしてしまったという相談が多く見受けられました。
また、インターネット回線を使って通話する形式も「電話」に該当し、オンライン会議アプリで勧誘を受けて契約してしまったという相談も増えています。SNSの広告を見て申し込んだオンライン会議アプリで行われた無料セミナー終了後、「興味がある人はこのまま残ってほしい」と言われ、その回線を接続したまま、高額なビジネスセミナーを勧誘され契約してしまったが解約したいといった相談が寄せられました。
〈連鎖販売取引〉
行政処分を受けた連鎖販売取引事業者との契約は解約できるのか、また、解約したのに返金されない、商品を購入したが不安だといった相談が寄せられました。このほか、友人や知人から簡単に収入が得られるからと誘われて、連鎖販売取引の契約をし、消費者金融で高額の借り入れをしてしまった、あるいは、家族・友人が連鎖販売に関わっているようだがやめさせたいといった相談がありました。
近年は、大学生などの若年層が先輩や友人に誘われ契約してしまうケースが多く寄せられています。
〈特定継続的役務提供〉
相談件数の約半数がエステティックおよび美容医療に関する相談でした。
施術の内容がエステティックや美容医療に該当するかといった相談や「化粧品を購入すると施術が安くなる」といって化粧品を購入したがクーリング・オフしたいといった相談が寄せられました。このほか、相談件数の約4割が学習塾、家庭教師、語学教室に関する相談で、オンライン英会話講座は特定継続的役務に該当するかというようなインターネットを利用した役務についての相談がありました。
また、いずれの役務についても、中途解約に関するトラブルが多く、事業者が示す精算方法に納得がいかない、返金額が少ない、契約時に請求されていない手数料を請求されたといった相談や関連商品の精算に関する相談が多く寄せられました。
〈業務提供誘引販売取引〉
「タブレット端末とポケットWi-Fiを利用した感想を月に一度SNSにあげれば3年間通信料が無料になり、タブレットは無料でプレゼントする。翌月にはキャッシュバックする」と勧誘され、ポケットWi-Fiの利用料を毎月支払う契約をしたが、翌月に振り込まれるはずだったキャッシュバックがないため解約したいといった相談が複数寄せられました。また、「講座を終了したら、似顔絵を描く仕事を紹介します」と勧誘され、オンライン講座を受講したが、ほとんど仕事を紹介してもらえないため、クーリング・オフしたいという相談も寄せられています。
〈訪問購入〉
相談件数が年々増加傾向にあります。
「チラシをみて、売りたいものがあるから見に来てほしい」や「値段が折り合えば買い取ってほしい」と自ら購入業者を呼んだ場合が来訪要請に当たるかといった相談や、訪問してきた事業者にアクセサリーを含む数点を買い取られたが、アクセサリーのみクーリング・オフできるだろうか、といった相談が寄せられました。また、「農業用のトラクターは訪問購入の規制の対象になるか」といった相談も寄せられました。
(参考)
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産業部 消費経済課
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最終更新日:2022年8月30日