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停電時の発電機によるCO中毒や、復旧後の通電火災に注意!

災害をきっかけにした製品事故を防ぎましょう

2023年8月29日

9月1日は防災の日。台風等による停電の際に使用される携帯発電機において、不十分な換気により一酸化炭素中毒となる事故が毎年発生しています。さらに、停電復旧後の通電に伴う火災にも注意が必要です。
改めて事故を防ぐための対策をお願いします。

1.概要

自然災害が発生したとき、災害そのものによる被害だけでなく、災害をきっかけに製品事故が発生することがあります。
災害による停電が長期化する場合の非常電源として携帯発電機をお持ちのご家庭が増えています。しかし、携帯発電機の排ガスには毒性の強い一酸化炭素(CO)が含まれており、屋内や風通しの悪い場所での使用による死亡事故も報告されています。
さらに、停電復旧後の通電により、電熱器具が周囲の可燃物に接触していたことによる発火や、家電製品の水没や部品の破損によりショートして発火するなどの製品事故も発生しています。
以下の注意点に従って、安全に使用しましょう。

一酸化炭素中毒事故のイメージ

図1 一酸化炭素中毒事故のイメージ
(避難先のテント入口で携帯発電機を使用して死亡)

2.携帯発電機の使用時の注意

  • 屋内では絶対に使用しないでください。発電機運転中の排ガスには一酸化炭素が含まれており、屋内で使用すると一酸化炭素中毒になるおそれがあります。
  • 屋外であっても、自動車内やテント内で使用すると屋内と同等以上の危険性があります。排ガスが逆流しないように出入口、窓など開口部から離れたところ、かつ、風通しのよいところで使用してください。

(参考) 携帯発電機の事故事例

  1. 事故発生年月日 2018年9月8日(北海道、50歳代・男性、死亡)

    ※北海道胆振東部地震発生後事故

    【事故の内容】

    一酸化炭素中毒により1名が死亡し、現場に家庭用の携帯発電機があった。

    【事故の原因】

    取扱説明書には、「排ガス中毒のおそれがあるため、排ガスがこもる場所で使用しない。排ガスは一酸化炭素などの有害成分を含んでいる。」旨、記載されていたにもかかわらず、停電時に携帯発電機を換気の不十分な屋内で使用したため、排ガスが滞留し、一酸化炭素濃度が上昇して事故に至ったものと考えられる。

  2. 事故発生年月日 2020年9月7日(鹿児島県、1名死亡、2名重症)

    ※令和2年台風10号発生後事故

    【事故の内容】

    一酸化炭素中毒で1名が死亡、2名が重症を負い、現場に家庭用の携帯発電機があった。

    【事故の原因】

    当該製品に異常は認められず、換気が十分に行えない屋内で使用したため、排ガスにより屋内の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素中毒になったものと推定される。なお、本体及び取扱説明書には、「排ガス中毒のおそれあり。」、「屋内など換気の悪い場所で使用しない。」旨、記載されている。

  3. 事故発生年月日 2021年8月2日(福井県、1名死亡)

    【事故の内容】

    車両内で携帯型の発電機を使用後、一酸化炭素中毒で1名が死亡した。

    【事故の原因】

    屋外で作業をしていた使用者が熱中症の状態になったため、運転中の当該製品が搭載された車両で休憩していたところ、症状が悪化したため病院に搬送され、後日、死亡した。取扱説明書には、「エンジンの排ガス中には人体に有害な成分が含まれている。トンネル、屋内など通気の悪いところで運転しない。運転する場合は、換気装置などを使い十分な換気を行う。もし怠ると、酸欠、重傷、死亡することがある。」旨、記載されている。

浸水による通電火災のイメージ1
浸水による通電火災のイメージ2

図2 浸水による通電火災のイメージ
(水に濡れた家電製品の内部には、水分が残っていたり、泥や塩分などの異物が付着していたりすることがあるため、通電時に電気回路基板から発火するおそれがあります。)

3.通電火災の注意

  • 自宅から避難する際に時間的な猶予がある場合は、停電復旧時に異常のある製品に通電されることによる事故を防止するため、分電盤のブレーカーを切ってください。普段から分電盤の位置や操作方法を確認しておきましょう。
  • 特にヒーターを内蔵した電気こんろや電気ストーブなどの電熱器具は、停電復旧時における意図しない作動による火災を防ぐため、停電時には電源プラグをコンセントから抜きましょう。
  • 停電復旧後、浸水や落雷などによる損傷を免れた製品を使う際は、機器などの外観に異常がないか(電源プラグやコードに損傷はないか、製品に焦げた痕はないか、など)を確認の上、分電盤のブレーカーを入れ、機器の電源プラグを1台ずつコンセントに差し、様子を確認しながら使用してください。異音や異臭がする場合は、必ず使用を中止し、メーカーや販売店にご相談ください。

(参考) 通電火災の事故事例

  1. 事故発生年月日 2016年7月3日(兵庫県、20歳代・男性、拡大被害)

    【事故の内容】

    停電復旧後に電気こんろの上に置いていた電気製品を焼損する火災が発生した。

    【事故の原因】

    当該製品は、落雷による停電以前にスイッチが入った状態で切り忘れ防止機能が働いた状態であった。停電時に切り忘れ防止機能がリセットされ、停電復旧後にヒーターへの通電が再開されたため、ヒーター上に置かれていたほかの電気製品が焼損したものと考えられる。なお、取扱説明書及び本体には、「ヒーターの上に可燃物を置かない。」、「使用後は火力調整つまみの「切」を確認する。」旨、記載されている。

  2. 事故発生年月日 2020年5月26日(東京都、拡大被害)

    【事故の内容】

    停電復旧後に電気ストーブ及び周辺を焼損する火災が発生した。

    【事故の原因】

    当該製品は、停電発生以前に電源プラグがコンセントに接続された状態で電源スイッチがオンの位置のまま、切り忘れ防止タイマーが働いた状態であった。停電時にタイマーがリセットされ、停電復旧後にヒーターに再通電して近傍の可燃物を加熱し、出火に至ったものと考えられる。なお、取扱説明書の注意には、「使用時以外は、電源プラグをコンセントから抜く。絶縁劣化による感電、火災などを防ぐ。」旨、記載されている。

関連資料

本発表資料のお問合せ先

関東経済産業局 産業部 消費経済課長 黒木

担当者:製品安全室長 野村
製品安全室 松岡、高橋

電話:048-600-0409(直通)