ホーム > 施策の御案内 > オープンイノベーション > イノベーションプロセスにおける専門人材の戦略的活用事業を実施しました

イノベーションプロセスにおける専門人材の戦略的活用事業を実施しました

オープンイノベーション活動を通じ、スタートアップや中小企業が大手企業等と外部連携を円滑に進めていくには、契約や知財戦略等に関するリテラシーの向上が重要です。
本事業では、オープンイノベーションプロセスでのアドバイスが可能な専門家を顕在化し、スタートアップや中小企業とのコミュニティ構築を通じて、専門家の戦略的活用を促進することを目的に実施しました。

※新型コロナウイルスの感染拡大防止と、来場される方々の健康と安全に配慮し、令和2年3月4日に予定しての成果報告会(デモデイ)の開催を中止しました。当日予定していたプログラムの一部について、登壇者のコメントや資料掲載する形で御紹介します。

専門家代表コメント

本事業を推進する上で、多大な御協力を賜りました内田・鮫島総合法律事務所の鮫島正洋氏より、中小企業・スタートアップがオープンイノベーションを推進するための専門人材活用の意義について、コメントを頂戴しました。

鮫島弁護士・弁理士からのコメント

オープンイノベーション(OI)の意義は二つある。まずは、我が国に数多く存在するスタートアップのPoCや社会実装のための手段としてのOI。大学や大企業とのOIなくして、これらはなしえないからだ。もう一つは、大企業の風土改革の手法としてのOI。アントレプレナーシップを実践しているスタートアップとのOIを通じて、「事業を造る」ための心構え・プロセスを大企業の方々にも体験していただくのが日本流OIの政策的意義である。日本の競争力は、スタートアップのユニコーン化のみで実現できるほど安易ではなく、大企業がかつて保有していたアントレプレナーシップを取り戻し、独創的な研究開発や事業を通じて、世界規模でイノベーションを発信できるようになって、初めて回復すると考える。
その際に欠けているピースが、スタートアップの経営者と対等に事業戦略を語ることができる専門人材である。このような人材がスタートアップの知財・法務部門として機能することがOIの成立条件である。
これが、本プロジェクトの位置づけなのである。

【経歴】

東京工業大学金属工学科卒業。藤倉電線株式会社(現 株式会社フジクラ)にてエンジニア(電線材料の開発)、92年弁理士登録後、日本アイ・ビー・エム株式会社にて知的財産業務を経て99年弁護士登録。2004年内田・鮫島法律事務所を設立、現在に至る。 弁護士業に留まることなく、知財戦略、知財マネジメント、知財政策など多方面に向けた発言を行い、その貢献に対して2012年知財功労賞受賞。「下町ロケット」に登場する神谷弁護士のモデル。

令和元年度における代表的な支援事例について

本事業では、17社の中堅・中小企業やスタートアップに対して、弁護士や弁理士等の専門家の方々に助言をいただきながら、企業と専門家のコミュニティ構築を推進しました。その中から、代表的な事例について、下記のとおり紹介します。

株式会社共進(長野県)× シグマ国際特許事務所 弁理士 丹羽 匡孝 氏

株式会社共進は、主に自動車関連部品の製造を行い、「カシメ接合」に強みを持った企業です。昨今の生産の海外移管や取引先からの原価低減依頼などによって、収益が上がりにくい状況にあるため、新規顧客の開拓・高付加価値製品の受注獲得に向けた取り組みを推進しています。  本事業においては、丹羽弁理士のアドバイスの下、独自技術や加工ノウハウなど、自社知財の棚卸と整理を行い、「カシメ接合方法適用ハンドブック」を作成しました。

【丹羽弁理士のコメント】

知的財産への取り組みというと、知的財産権の取得や活用を思い浮かべがちですが、知的財産権は知的財産を保護するためのツールに過ぎず、核となって価値を生み出すのは知的財産そのものです。今回の支援では、共進様が保有する知的財産により生み出し得る価値を整理し、新しい顧客獲得へつなげることを目指しました。しかし、今回着目した価値自体は新しく見出したものではなく、自社でもともと認識していたものにすぎません。主事業のバイアスで知的財産の価値を十分に引き出せてないことはよくあります。第三者の視点を取り入れて知的財産を捉えなおし、知的財産を経営に活用できるようにする事例とできれば幸いです。

さとやまエネルギー株式会社(長野県)× MASSパートナーズ 弁護士/弁理士 溝田 宗司 氏

さとやまエネルギー株式会社は、2013年設立の地域主導型の小水力発電事業を展開している企業です。今後の経営強化方策の一つとして「知財を活かした事業モデル」を検討していました。 本事業では、溝田弁護士/弁理士のアドバイスの下、知財に関する基礎知識の習得と自社技術の見直しを行い、連携先との新たな事業発展に向けた協議を始めるきっかけを生むことができました。

【さとやまエネルギー 代表取締役 前田 仁 氏のコメント】

弊社は、地域主導型の小水力発電事業の展開を進めております。小水力発電事業は多くの工程があり、様々な分野の専門家や事業者と連携をしながら事業を進めます。 溝田先生と御相談しながら、弊社の強みを活かし、知財を守りながら、大企業を含む多くの事業者との連携について相談させていただきました。また、御相談の中で、自社の課題解決に加え、強みを見直し、知財を活かして今後の新たな事業モデルの検討を進めることもできました。現在、新しい事業モデルに関して、連携先との協議を進めており、非常に有意義な機会となりました。このような機会を与えていただき、大変感謝しております。

本事業に御参画いただいた専門家の紹介(順不同)

  氏名 所属事務所 資格
1 足立 昌聰 氏 インハウスハブ東京法律事務所 弁護士/弁理士
2 上田 優 氏 上田経営法律事務所 弁護士(NY州弁護士資格)
3 木村 貴司 氏 ルシアス法律事務所 弁護士/弁理士
4 丹羽 匡孝 氏 シグマ国際特許事務所 弁理士
5 溝田 宗司 氏 MASSパートナーズ法律事務所 弁護士/弁理士
6 木村 晃一 氏 MASSパートナーズ法律事務所 弁護士
7 佐久間 篤夫 氏 佐久間総合法律事務所 弁理士
8 鮫島 正洋 氏 内田・鮫島法律事務所 弁護士
9 杉尾 雄一 氏 内田・鮫島法律事務所 弁護士
10 宅間 仁志 氏 内田・鮫島法律事務所 弁護士(技術系修士)
11 山口 建章 氏 内田・鮫島法律事務所 弁護士
12 門野 智美 氏 内田・鮫島法律事務所 弁護士
13 横室 直樹 氏 弁護士法人漆間総合法律事務所 弁護士
14 鈴木 修平 氏 弁護士法人漆間総合法律事務所 弁護士
15 初瀬 貴 氏 弁護士法人漆間総合法律事務所 弁護士
16 多田 猛 氏 イーリス総合法律事務所 弁護士
17 伊藤 慎一 氏 秋田大学 教授
18 酒井 俊之 氏 創成国際特許事務所 弁理士
19 大石 幸雄 氏 TMI総合法律事務所 弁理士
20 増山 達也 氏 有限責任監査法人トーマツ 事業プロデューサー

オープンイノベーション創出のための法務・知財戦略セミナー

本事業では、ビジネスを加速させる上で効果的な法務・知財に関する戦略策定に向けて、中小・スタートアップへの支援経験が豊富な弁護士・弁理士をお招きし、法務・知財のポイントについて実例を用いたセミナー・ワークショップを開催しました。

開催概要

テーマ ・セミナー:予防法務と知財の基本を講義で学ぶ
・ワークショップ:中小・スタートアップの陥りがちな課題とその対策を事例を用いて学ぶ
講師 内田・鮫島法律事務所
対象 ・新分野進出や新市場創出について他社との連携を志向する中小・スタートアップ
・中小企業の若手経営者及びベンチャー型事業承継企業
・自治体、金融機関、支援機関、大学、専門家等のスタートアップ支援機関
開催会場 ①つくば会場
日時:2019年12月20日(金曜日)13:00~17:00
会場:つくばスタートアップパーク
(茨城県つくば市吾妻2-5-1 つくば市産業振興センター)

②新潟会場
日時:2020年1月17日(金曜日)13:00~17:00
会場:PLAKA3 1階 SN@P(Startup Niigata at PLAKA)
(新潟県新潟市中央区天神1丁目1)

③東京会場
日時:2020年2月7日(金曜日)13:00~17:00
会場:31Builedge/31ビレッジ
(東京都中央区八重洲二丁目7番2号八重洲三井ビルディング3階)

④浜松会場
日時:2020年2月14日(金曜日)13:00~17:00
会場:えんてつ浜松駅前貸会議室
(静岡県浜松市中区旭町12⁻1遠鉄百貨店 新館 )

令和元年度イノベーションプロセスにおける専門人材の戦略的活用事業報告書

〒330-9715 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地1 さいたま新都心合同庁舎1号館 電話・FAX番号はこちら

Copy Right 2010 Kanto Bureau of Economy, Trade and Industry All rights reserved.