ワエストロ株式会社:令和1年11月認定

事業継続力強化計画の特徴  
  • 取引先と連携し、災害時に滞りない製品供給の整備

所在地:埼玉県熊谷市 【地震リスク:震度6弱57.5%(向こう30年間)】 【浸水リスク:本社2m~5m 工場1m~2m】
業種:製造業
従業員数:1人

御社の概要を教えてください。

当社では、コア技術となる3つの特許を活用し、メインであるウレタン成形(RIM成形)を中心に様々なウレタン成形を扱っており、自動車・バイクに限らず、医療機器や介護用品、文房具や建材・家具など様々な分野に対応しています。また、自社製品ではウレタン畳・マット「くつろぎシリーズ」を生産し、介護施設や保育園・幼稚園といった社会福祉施設をはじめ、防災備品として官公庁・自治体・学校等へ国内外問わず様々なマーケットに向けて販売をしています。

事業継続力強化計画を策定したきっかけを教えてください。

当社が、複数の大学とウレタン成形に関する研究開発をする過程で、大学側から‘’ウレタンの防炎性能や高反発性‘’の特性を活かした防災備蓄畳・マットレスの共同開発のオファーがありました。数年間の共同開発を経て「くつろぎシリーズ 防災セット」として商品化した際に官公庁・自治体向けに生産・販売する機会が多いことから災害時でも製品供給の継続しなければいけないという使命感がありました。その時に経産省のHPで「事業継続力強化計画」を知り、防災関連商品を扱う企業として有事の際の想定や事前対策についての整理が必要だと考え、今回策定に至りました。また、メーカー本体からその下請けに至るまで技術供与も行っているため、サプライチェーン内で想定し得るリスク対策策定が急務と考えました。

策定にあたって苦労した点を教えてください。

日頃から防災に対する意識があり、ハザードマップ等を確認していたので策定にあたって苦労した点はなく、取り掛かりやすかったです。2ヶ月程度で計画を策定することが出来ました。今回ハンズオン支援を活用しましたが、外部の専門家が入ることで他の企業の取組事例等を参考にしながら、第三者の視点で計画を精査してもらい、より実践的な計画を策定することができました。

事業力強化計画を策定した感想を教えて下さい。

従前から防災に対する想定や対策について漠然と考えていましたが、書面で落とし込んだことで、従業員や外部取引先に対しても誰が見てもわかるように整理することできました。 今回策定した計画をもとに当社独自の災害マニュアルも作成しましたが、入社する社員にも示しやすく、教育する際にも役に立つと思います。また、今回策定した計画は、、常に見直すことが必要だと考えています。事業規模拡大や事業環境の変化の都度、社内で話し合いながら、計画のブラッシュアップしていければと考えています。

事業継続力強化計画を策定したことで、社内外で何か変化したことを教えて下さい。

計画策定後、当社の防災備蓄品が災害時に自治体、学校や病院等に有事の際に滞りなく提供できるように、取引先との連携を深めていきました。当社は、常に新しい商品と入替を行いながら、一定数の在庫を維持していく体制を整備して有事の際に供給がストップしないように努めていますが、取引先にも製造ラインが止まった時に一定数の材料等の在庫を保有してもらうことを求めて、被害情報や復旧等の見通しを企業間で情報共有することを確認しました。今回、計画策定したことで社内はもちろんですが、取引先とも有事の際の対応について意見交換を行い、情報共有をすることが出来ました。

今後の事業継続力強化に向けた取組みについて教えてください。

今後の事業継続力強化に向けて当社が所属する工業組合と事業継続力強化計画を自社のみの単独型から連携型に移行していくことを考えております。現在、工業組合に所属する企業と定期的に防災訓練や勉強会の実施していますが、連携計画を策定して災害時の各企業ごとの役割等を明確化し、より連携を深めていければと考えています。 当社としては、自社製品である「くつろぎシリーズ 防災セット」を災害時の備えとして提供し、地震や水害等が起こった際に工業団地内での避難所の環境整備が出来ればと考えています。さらには特許技術などの保有知財権に関する取り組みも必要と考えており、書類関係の電子化だけでなく、知見・ノウハウに関するリソースを社外秘扱いのマニュアルとして策定していく所存です。

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事業継続力強化計画(ワエストロ株式会社)

最終更新日:2021年9月30日