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令和7年関東経済産業局長年頭所感

関東経済産業局長 佐合 達矢
関東経済産業局長
佐合 達矢

令和7年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

昨年来、日本経済には確かに明るい兆しが見られています。コロナ禍の中でも多くの方々がしっかりと事業に取り組まれ、また、これまでの大型の予算編成等を通じた政策効果もあって、前向きな国内投資は活発化し、物価高の中、実質賃金がプラスに転じることもありました。他方で、原材料・エネルギー価格の高騰や緊迫した国際政治情勢など予断を許さない状況は続いており、また、同じ賃上げでも生産性・収益性の向上を背景とするものでなく、人材の流出を防ぐなど、むしろ防衛的に引き上げざるを得ない事業者も多く存在しています。すなわち、令和7年はまさしく正念場、コロナで停滞していた経済環境とそれまで引き摺っていたデフレ体質の経済構造から脱却し、今一度、強い日本経済を作り上げる勝負の年だと感じています。

そのためには、GDPの半分近くを占める関東経済産業局管内の経済がその潜在力に見合った力強さを発揮し、日本全体のエンジンになる必要があると考えています。当局では、昨年11月に閣議決定された『国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策』や様々な政策を通じて、成長に向けて挑戦する企業、経営基盤の強化を図る企業など、様々な状況に置かれている事業者へのきめ細かな支援、製品やサービスの価値に見合った適正な対価が支払われる公正な取引環境の整備、消費者が安心して消費を楽しむことができる社会の実現などに取り組むことで、地域経済の成長に貢献してまいります。

地域の中堅・中小企業の稼ぐ力の強化には、成長投資やイノベーションへの挑戦、DX・GXへの取組、省力化対応、専門人材の確保など多様な課題への対応が必要となります。課題を抱える事業者の声に丁寧に耳を傾け、予算制度や税制のみならず、他省庁の施策や関係機関の紹介など、徹底したお節介を焼いていきます。経営基盤の強化についても同様です。利用可能な支援策の紹介、関係支援機関との連携等を通じて、厳しい経営状況にある企業が着実に収益力を向上できるよう、支援に取り組んでまいります。

適正な取引環境の整備は、最重要政策の一つです。正当な努力により生み出された付加価値が適正に評価される環境が無い限り、経済社会の健全な発展はあり得ません。事業者間の取引実態の把握や下請法の執行強化、大企業と中小企業の共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」の普及拡大等に尽力してまいります。

このほか、消費者行政についても、消費者庁や消費者団体等との連携の下、適切な法執行や情報提供等に努めてまいります。問題事案には迅速かつ適正に対処するとともに、そもそも不法行為を発生させないために出来ることを考え、取り組んでいく所存です。また、エネルギー分野についても再生可能エネルギーに関連する法律の適切な執行等を継続するとともに、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなど、地域の課題や特性に応じた「GXの実現」に向けた取組を推進してまいります。

ミクロで見ると、地域・現場には驚くほどのイノベーション、ワクワクするような成長の芽が沢山生まれています。それは研究開発型のスタートアップによるものだけではなく、技術力を磨き続け、時代の変化を見通した強かな中小企業、業種・地域を越えてダイナミックに連携する中小企業、技術力を備えた中小企業とアイデアを持ったスタートアップとの連携体など、様々な主体から生まれているのです。公正な経済社会環境の中、こうした素晴らしい動きが更に拡大し、それぞれが大きく成長していくために、関東経済産業局は「現場主義」を第一として自治体・支援機関・金融機関等とも更に連携を深め、これまで以上のスピード感を持って業務に取り組んでいきます。

本年4月には「2025年大阪・関西万博」が開幕します。約2,800万人を超える国内外からの来場者が見込まれ、大阪のみならず、日本全体が活気に包まれることが期待されております。この万博は、地域が元気になるための一つのきっかけになるものですので、多くの方々に関心を持っていただき、万博のテーマである「いのち輝く未来社会」を体験いただきたいと思います。

結びに、本年も経済産業行政への御理解と御協力をお願いするとともに、皆様の御健康と御多幸を祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。

令和7年 元旦

関東経済産業局長 佐合 達矢

最終更新日:2025年1月6日