
令和5年の新春を迎え、謹んで御挨拶申し上げます。
昨年は新型コロナウイルス感染症対策に伴う行動制限が緩和され、3年ぶりに各地でお祭りやイベントが開催されるなど、地域に明るい話題が少しずつ増えてきました。一方で、エネルギー、原材料価格の高騰、ウクライナ情勢の影響などにより、地域経済は依然として厳しい状況が続いています。
卯年である本年は、飛躍と向上が期待できる年と言われています。関東経済産業局では、このような状況の中でも果敢に立ち向かう地域の皆様の取組を全力で後押しし、本年が飛躍の年になるよう支援して参ります。是非とも、私ども関東経済産業局を『使い倒してください』。
「政策まわし」による政策イノベーションを実践
まず、エネルギーや原材料価格の高騰、新型コロナウイルス感染症の影響により経営の厳しい地域企業に寄り添い、価格転嫁の円滑化や過剰債務への対応など、事業継続に向けた支援を行って参ります。
また、地域企業の稼ぐ力の向上や雇用維持を通じ、安全・安心に暮らせる地域社会づくりに向けて支援をして参ります。具体的には、経営基盤の強化や多様な人材の活用など、地域企業の経営の足腰を強くするための支援を行うとともに、デジタル活用やイノベーション促進など、地域企業の付加価値獲得に向けた新たな挑戦を後押しし、地域企業の稼ぐ力の強化につなげて参ります。さらに、様々な地域資源を活用した域外需要の獲得や創業等を通じた地域の新陳代謝の促進、炭素中立社会の実現、地域におけるレジリエンスの強化、ビジネスを活用した地域の社会課題の解決などを通じて、地域経済の成長及び持続可能性の確保に貢献して参ります。
東日本大震災からの本格的な復興に関連して、昨年末12月20日に「魅力発見!三陸・常磐ものネットワーク」が官民連携の取組として立ち上がりました。これまでの間、自治体、企業等、多くの方々に御案内をし、既に多くの企業の皆様から、御参加の表明をいただけたことに感謝を申しあげます。是非、更に多くの皆様に御参加いただき、皆様と一緒に「三陸・常磐もの」の魅力を発信し、消費拡大を図って参ります。
これらの様々な政策について、個々に取り組むだけでは、企業や地域が抱える本質的な課題に十分に応えきれません。中小ものづくりの現場の中には、「仕事まわし」や「仲間まわし」と呼ばれる取組により、多くのイノベーションを起こしているネットワークがあると聞きます。関東経済産業局でも、他の組織と戦略的に連携し、人材、知識、ノウハウを総動員しながら「政策まわし」を実行し、政策イノベーションの実践にチャレンジして参ります。
現場から得られる「実践知」を大切に
昨年7月の着任以来、「スタートダッシュ100日プラン」と銘打ち、管内各地100カ所以上にわたり、様々なところに足を運んで来ました。自治体首長をはじめ、地元の事業者や経済団体、金融機関など地域の方々と直接お会いし、現場ならではの経験に裏付けされた大変興味深いお話を聞くことができ、仕事の糧となるような情報をたくさんいただきました。
政策づくりにあたっては、現場に出て、身体・五感、人との関係性によって得られる貴重な知識、つまり「実践知」が大切だと考えています。本年も積極的に現場に足を運び、現場で地域の皆様と一緒に悩み、考え抜く。そうした姿勢を貫きながら政策を進めて参ります。
最後に、本年も経済産業施策への御理解と御協力をお願いするとともに、皆さまの御健康と御多幸を祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。
令和5年 元旦
関東経済産業局長 太田 雄彦
最終更新日:2023年1月4日