消費者相談コーナー

  商品先物取引の勧誘ルールが変わりました

〜商品先物取引はリスクの高い取引です。この取引を始めるにあたっては、商品先物取引の仕組みとリスクを十分に理解しなければなりません。〜

 
産業部消費経済課 消費者相談室

 
【商品先物取引とは】

 商品先物取引とは、将来の一定の時期に、ある商品(金や原油等)について、一定の価格で売買を行うことをあらかじめ約束する取引です。少ない証拠金で多額の取引をするという「レバレッジ効果」を有すること等から、リスクの高い取引とも考えられます。

【商品先物取引の例】

 例えば
  証拠金として 最初に10万円を預けて
  金1枚(実際の取引量は1s)の取引をするとします。

東京商品取引所で 金1gが4,600円(呼び値といいます)で取引されていれば10万円の証拠金で、実際には460万円の取引をすることになります。

  なお、取引のたびに、手数料(商品先物取引業者により異なる)がかかります。

 商品先物取引法では、不招請勧誘を原則禁止(※)しています。
  商品先物取引法の施行規則(省令)改正(平成27年1月23日公布、同年6月1日施行)により不招請勧誘に関する規定が変更され、要件を満せば「不招請勧誘を行える場合」が追加されました。
  ※勧誘を要請していない顧客に対し、訪問又は電話により勧誘することを禁止する規制
  この改正により、今までは自分から要請しなければ勧誘を受けなかった人が勧誘を受ける機会が増える可能性があります。

 

【事例1】

 2015年1月、職場に先物取引の外務員が勧誘に来た。断ったが、「損はさせませんから。」としつこく3回ほど勧誘を受けた。次にその外務員の上司が勧誘に来た。「50万円だけでいいですから。」、「経済産業省の許可業者だから信用してくれ。」とあまりにもしつこく勧誘してくるので、根負けしてしまい50万円を証拠金として預けた。契約時に年収を聞かれ850万円と答えた。私は先物のことがよくわからなかったので売買は外務員に任せた。銘柄は金だが、私からは「買い」や「売り」の指示は出していない。  その後は電話で報告があっただけだった。ところが、報告書が送られてきて、損失が膨らんでいることに気づいた。1ヶ月ほどで入れたお金がほとんどなくなってしまった。「追加で15万円を入れないといけない。」と言われて、15万円の証拠金の追加を求められた。仕方なく15万円を預けた。外務員は「利益は出ますから様子を見ましょう。」と言うだけである。渡した証拠金を返してもらいたい。(50歳代 男性)


【事例2】

 事業者から電話があった後、外務員が自宅に訪れ、先物取引の勧誘をされた。私は今まで、先物取引の経験はない。事業者から「1,000万円の投資が可能かどうかの審査をします。」と言われた。 その後、「審査が通った。」との連絡があった。 口座開設の契約は締結したものの資金的に余裕があるわけではなく、取引は断ったが、「ロスカットがあるので損が出ることはない。」と言われ、100万円を預けることにした。国内市場のガソリン取引らしい。書面には「損失限定証拠金」との記載がある。その後、「損が出たので40万円まで値が下がった。」と言われた。さらに、「再度値が下がった。」と連絡があった。
払ったお金を返してほしい。(30歳代 男性)
※損失限定取引:損失額が限定された仕組みの取引。損失限定取引は従前より不招請勧誘禁止の対象外となっている。

【商品先物取引法の施行規則(省令)改正のポイント】

(1)不招請勧誘規制の「例外」として、以下の類型が追加されました。
@ ハイリスク取引の経験者に対する勧誘
(FX(外国為替証拠金取引)等の経験者については他社顧客を新たに追加、有価証券の信用取引の経験者については自社顧客及び他社顧客いずれも追加)
A 以下のア.及びイ.の要件を全て満たした者への勧誘
(事業者は勧誘の目的を告げた上、以下の要件を満たしているか相手に説明し、満たしていることを確認した上で承諾を得なければならない。)
ア.65歳未満の者、かつ年金等生活者ではない者
イ.年収800万円以上若しくは金融資産2,000万円以上を有する者、又は商品先物の専門的な知識を有すると考えられる資格(弁護士、公認会計士等)を有する者

 

ただし、ハイリスク取引の未経験者((1)Aの要件のみに当てはまる者)との契約については、以下の(2)、(3)の措置も併せて講じられることになります。

 

(2)契約前の措置
  取引のリスク(損失額が証拠金の額を上回るおそれがあること等)を顧客が理解していることを、契約前にテスト方式により確認。
(3)契約後の措置
@ 「熟慮期間」(契約から14日間は取引できない)を設ける。
A 投資できる上限額を設定(年収及び金融資産の合計額の1/3。上限額に達する証拠金の預託が必要となった場合には、取引を強制的に終了)。
B 習熟期間の設定(経験不足の顧客については、90日間、投資できる上限額の1/3までしか取引できない)
C 投資した額を超える損失が発生する可能性を、顧客に事前に注意喚起しなければならない。


 

【事例についてのポイント】


 

【事例1】

 本件については、省令改正前の契約なので、損失限定取引以外の勧誘であれば、不招請勧誘にあたる可能性がありますが、省令改正後は、前述(1)に当てはまり、事業者が(2)、(3)の措置を行えば、この契約は不招請勧誘禁止規定の適用除外とされる可能性があります。
 なお、事例の中では、当該事業者は以下の商品先物取引法違反行為があると認められる可能性があります。
@ 取引をしたくない意思を示しているのに、それでも執拗に勧誘し続ける行為を禁止(再勧誘の禁止)しています。
A 商品先物取引業者が顧客から一任されて売買取引を受けてはなりません(一任取引の禁止)。
B 断定的判断の提供をして勧誘することは禁止され、特別の利益を提供することを約することは禁止しています。
(商品先物取引業は、主務大臣(農林水産大臣、又は経済産業大臣)の許可を受けた者でなければ行うことができません。)
 

【事例2】

  勧誘を要請していない個人顧客に、訪問、若しくは、電話で勧誘を行ったため、不招請勧誘行為として禁止行為にあたるとも考えられますが、 従前から、国内商品市場取引における損失限定取引(スマートCX)は、損失額が限定された仕組みのため、不招請勧誘禁止規定の適用が除外されています。
  商品先物取引法では、商品先物取引業を営む者は許可制であって、不当な勧誘等は禁止されていますが、クーリング・オフや契約取消し等の民事ルールはありません。
  商品先物取引では、あらかじめ業者に支払った金額の何倍もの取引ができるため、損失限定取引を除いて、相場の変動により、実際に支払った金額がなくなるだけでなく、 取引を終了(精算)するに際して、更に追加でお金を支払う必要が生じることもあります。このように、商品先物取引は、投資した額を超える損失が生じる場合がある取引 (レバレッジ取引)です。商品先物取引を開始するにあたっては、十分にご家族、ご友人等とご相談下さい。
 

【消費者へのアドバイス】

商品先物取引に関心がない、取引の仕組み(レバレッジ等)や金額の大きさが理解できない場合は、契約はやめましょう。話を聞きたくないのであれば勧誘を きっぱり断りましょう。
●業者が許可等を受けているかを確認しましょう。
正規の業者は法に基づく許可又は登録を受けています。
商品先物取引業者一覧
http://www.meti.go.jp/policy/commerce/f00/f0000001.html
●「必ず儲かる」「損はしない」とのセールストークに注意しましょう。
●年収などを答えるときは正確に答えましょう。
●お困りのときは、下記の相談窓口に相談しましょう。

○金、原油などの商品(工業品)の先物取引に関する問合せや苦情の情報提供について
経済産業省トラブル110番 電話03-3501-1776
○大豆などの商品(農産品)の先物取引に関する問合せや苦情の情報提供について
農林水産省トラブル110番 電話03-3502-8270
○日本商品先物取引協会・相談センター(あっせん・調停を希望される場合)
電話03-3664-6243

https://www.nisshokyo.or.jp/investor/s_center.html

関東経済産業局消費者相談室 
    
電話 048-601-1239

 http://www.kanto.meti.go.jp/sodan/shohishasodan/index_shohishasodan.html

消費者ホットライン (居住地の消費生活センターに転送されます)
    電話 188(いやや) 〜7月1日より3桁化
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html

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