消費者相談コーナー

  その取引、クーリング・オフできる?できない?
   〜クーリング・オフができない取引もあるのでご注意ください〜

 
産業部消費経済課 消費者相談室

 

  「クーリング・オフ」という言葉を、聞いたことがある人は多いと思います。消費者が訪問販売などで契約したときに、無条件で契約を解除できるという制度です。 消費者と事業者との間の取引は様々ありますが、クーリング・オフできる取引とクーリング・オフできない取引とがあります。今回は、クーリング・オフについて見ていきましょう。


◇クーリング・オフって何?

  契約は、一度結んだら守るのが原則です。一方的に契約をやめることはできません。しかし、特定商取引法では、訪問販売や電話勧誘販売等のように不意打ち性の高い販売方法において、一定期間内であれば無条件で申込みの撤回や契約の解除を認めた消費者保護制度を設けています。これを「クーリング・オフ制度」といいます。
 クーリング・オフにより契約をやめる時には、特別な理由は要りません。また、何らかの費用を負担する必要もありません。クーリング・オフ期間は取引類型によって異なりますが、訪問販売や電話勧誘販売などのクーリング・オフ期間は8日間です。クーリング・オフでは、同法で定められた事項が書かれた法定書面(一般に契約書等)を受け取った日を1日目として数えます(連鎖販売取引は、法定書面を受け取った日もしくは商品を受け取った日のいずれか遅い方を1日目とします)。 1か月前に訪問販売で健康食品を買う契約をして代金も払ったが、契約書をもらっていないという場合、本来訪問販売のクーリング・オフ期間は8日間ですが、法定書面を受け取っていないので9日目以降でもクーリング・オフが可能です。
 また、クーリング・オフ妨害があった場合には、事業者から改めてクーリング・オフができる旨を記載した書面を受け取り、口頭で「クーリング・オフできる」こと等の説明を受けてから、決められた期間を超えるまでは、クーリング・オフすることができます。
 なお、クーリング・オフは、その決められた期間内に発信すれば、発信した時点で、契約は最初からなかったものになります。

【特定商取引法で規制されたクーリング・オフできる取引と期間】

・訪問販売(8日間)
・電話勧誘販売(8日間)
・連鎖販売取引(20日間)
・特定継続的役務提供(8日間)
・業務提供誘引販売取引(20日間)
・訪問購入(8日間)
 ※「通信販売」にはクーリング・オフの制度はありません


◇クーリング・オフの手続きはどうするの?

  クーリング・オフの通知は必ず書面で行いましょう。はがきなどの書面に記載例のように記入して、控えのために書面の両面をコピーに取った上で、内容証明郵便や書留、特定記録郵便など記録が残る方法で送ってください。クレジット契約をしている場合は、クレジット会社にもクーリング・オフ通知を出します。その際、クレジット会社に先に通知を出すかクレジット会社と販売事業者等へ同時に通知を出しましょう。


〈クーリング・オフ通知の記載例 はがき〉

                      
例@ クレジット契約をしていない場合
(販売会社あてに出します)
例A クレジット契約をしている場合
(販売会社あてとクレジット会社あてに出します)
通知書


(注意)例@で訪問購入の場合、※1は「買取業者」、※2は物品を引き渡している場合、「引き渡し済みの商品○○を返還してください」等と記載し、買取業者あてに通知してください。


◇クーリング・オフできる?できない?

 ここまで、クーリング・オフについて見てきましたが、どんな取引でもクーリング・オフができるわけではありません。消費者と事業者の間の取引であってもクーリング・オフができない取引もあるので、注意が必要です。以下、事例を見ていきましょう。

【事例1】

 インターネットでブランドのコートを注文した。商品は海外から取り寄せるため3週間後に届く予定である。しかし、他の店でもっと良いコートを見つけたので、ネットで注文した商品をキャンセルしようと思い販売店に連絡をしたが、「キャンセルできない。」と言われてしまった。注文してからまだ3日しか経っていないが、通信販売はクーリング・オフできないのか。

【消費者へのアドバイス】
〜通信販売にクーリング・オフ制度はありません〜

 特定商取引法では、消費者トラブルが生じやすい取引を対象に、事業者が守るべきルール等を定めています。通信販売も特定商取引法で規制された取引でありますが、他の取引と異なり、通信販売にはクーリング・オフ制度はありません。しかし、返品に関するトラブルが多かったことから、平成20年に特定商取引法が改正され、広告に返品特約の表示がない場合は、商品を受け取ってから8日間以内であれば返品が可能になりました(返品が観念できない役務(サービス)の通信販売については対象外)。ただし、クーリング・オフ制度とは異なるので、この場合返品にかかる送料は購入者の負担になります。事業者の広告に返品特約の表示がある場合には、その表示された条件が適用されます。仮に「返品不可」との表示があれば返品できないことになります。返品特約がある場合、その内容は一律ではなく事業者ごとに異なってきますので、事前にその特約を確認し、どのような場合に返品できるのか、あるいは返品できないのか、注文する前に返品についての規定を必ず確認しましょう。


【事例2】

 テレビショッピングを見て、健康ウォーキングシューズを電話で申し込んだ。いつも24センチの靴を履いているが、届いた24センチの靴は履いたらきつかった。早速、事業者に返品かサイズの交換を申し出たが、「一度履いた靴は返品も交換もできない。」と言われてしまった。この靴はクーリング・オフできないのか。

【消費者へのアドバイス】
〜テレビショッピングも通信販売のためクーリング・オフ制度はありません〜

 テレビショッピングもインターネットショッピングと同様に通信販売に該当するため、クーリング・オフ制度はありません。宣伝文句に惹かれ、返品特約などを確認しないまま勢いで商品を注文してしまいがちですが、購入の際には返品が可能かどうか特約の有無をよく確かめ、本当に必要かよく考えてから申し込むようにしましょう。また、返品できる場合でも、返品条件が付けられていることがあります。例えば「パッケージを開封してしまったら返品できない」「通電したら返品できない」「商品到着後○日以内返品可」等、事業者によって様々な条件が付けられていることがありますので注意が必要です。


【事例3】

 ソファーカバーが欲しいと思い、家具販売店に行って購入した。しかし、自宅のソファーにかぶせてみるとまったくサイズが合わなかった。この商品は使用できないと思い、袋に戻して販売店に「返品したい。」と申し出た。すると、「未開封なら返品を受け付けるが、一度開封したものは返品できません。」と返品を受け付けてくれない。商品は新品同様の状態なのに、返品できないなんて納得いかない。購入したのは昨日だが、クーリング・オフできないのか。

【消費者へのアドバイス】
〜自ら店舗に出向いて契約した場合はクーリング・オフできません〜

 店によっては顧客サービスとして、独自に返品や交換に応じているところもあります。しかし、それは事業者任意の規定によるものですので、「開封した場合は返品できません」という規定がある場合、それに従うことになります。ただし、街頭などで誘われて事業者の店舗や営業所等(以下「店舗等」)に案内された場合(いわゆるキャッチセールス)や、事業者が電話や郵便等で「イベントへのご招待」等、販売目的を明示せずに消費者を店舗等に呼び出したり、「あなたは特別に選ばれました」等、他の者に比べて著しく有利な条件で契約できると消費者を誘って店舗等に呼び出して契約させる場合(いわゆるアポイントメントセールス)は、店舗等での契約であっても訪問販売として扱われ、書面交付義務やクーリング・オフの規制がかかります。


【事例4】

 自宅に果物の販売業者が突然訪れた。りんご1箱4,000円ということだったが、税込みで2,980円まで値引きしてくれるというので、購入することにした。代金はその場で現金で支払いを済ませた。しかし、りんごをよく見たら傷んでいるものが多いので返品したいと思う。契約をしたのは昨日だが、この取引はクーリング・オフできるのか。

【消費者へのアドバイス】
〜3,000円未満の現金取引はクーリング・オフの適用除外です〜

 「訪問販売」や「電話勧誘販売」の場合で、3,000円未満の現金取引については、クーリング・オフできません。この現金取引とは、契約締結と同時に契約当事者相互の債務が完全に履行された場合(現金で支払いを済ませ、かつ商品の引き渡しも済んでいる場合)をいいます。なお、振込や代引き配達及びデビットカードによる即時決済は、いわゆる現金取引には該当しないと考えられています。


【事例5】

 昨日、コートなどの洋服と漫画を売りたいと思い、インターネットで検索して買取業者を探し、自宅に見積もりに来てもらった。買取業者は「洋服は全部で1,000円、漫画は20冊で500円。」と言い、期待していた通りの値段にはならなかったがいらないものだったので、そのまま買い取ってもらった。今日そのことを友人に話したら、「その漫画だったら全部で2,000円払ってもいい。自分に売ってほしかった。」と言われたので、クーリング・オフしようと思い、買取業者に連絡すると、「洋服はクーリング・オフすることができるが、漫画はできない。」と言われてしまった。


【消費者へのアドバイス】
〜訪問購入にはクーリング・オフできない物品があります〜

 訪問購入にもクーリング・オフ制度があります。法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日間以内であれば、買取業者に対して、書面により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます。クーリング・オフを行った場合、すでに物品を事業者に引き渡していたり、代金を受け取っている場合には、事業者の負担によって、物品を返却してもらったり、代金を返還することができます。ただし、訪問購入においては適用除外とされている物品があり、以下に該当した場合はクーリング・オフできません。

「訪問購入」において適用除外とされる物品
・自動車(二輪のものを除く)
・家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)
・家具
・書籍
・有価証券
・レコードプレーヤー用レコード及び磁気的方法又は光学的方法により音、影像又はプログラムを記録した物


◇まとめ

 これまで見てきたように、クーリング・オフできる取引とできない取引があります。物を購入する、サービスを有償で受けるなど、契約する際は、その取引がクーリング・オフできる取引かどうかよく確認するようにしましょう。
 万が一トラブルにあった場合や不安になった場合などは、当相談室や居住地の消費生活センターにご相談ください。早めの相談が解決への近道です。


 

〈参考〉
◇独立行政法人国民生活センター(クーリング・オフ)
 http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html
◇消費生活安心ガイド
(特定商取引法に関する情報や消費者向け事例紹介が掲載されています)

 http://www.no-trouble.go.jp


(相談先) 
■消費者ホットライン(居住地の消費生活センターにつながります)
   電話:0570−064−370
■関東経済産業局 消費者相談室     
   電話:048−601−1239

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