消費者相談コーナー

   稼ぐつもりが、逆に支払いだけが残るはめに・・・     

産業部消費経済課 消費者相談室

 

 収入を得るために内職したい、アルバイトをしたい等と考えて、インターネットや就職情報誌などで仕事を探したけれども、全く収入にならず逆に借金を背負ってしまったという相談が寄せられることがよくあります。
 「空いている時間にサイドビジネスを!」「1か月に○○円は稼げます」などという広告を見て、気軽な気持ちで問い合わせることも多いようですが、契約しようとする際には慎重に調べ、周囲に相談するなどしてよく考えることが必要です。

【事例1】  いつまでもテストに合格しないので仕事ができない!  

  インターネットで仕事を探して、在宅でできるパソコン内職の申込みをした。仕事の開始前にネット上で研修を受けなければならず、そのためにはマニュアルWeb制作料30,000円、サポート料15,000円の他、毎月のシステム利用料が必要だと言われて、最初に現金で5万円を振り込み、その後もシステム利用料を支払い続けている。
 「研修が終了したらレベルチェックテストを受ける必要があるが、テストは簡単で合格すればすぐに自社での仕事ができる。」と説明された。ネットで研修をし、1か月後にテストを受けたところ不合格だった。規約には「80%正解で合格」と記載されていたが、自分はパソコン初心者ではないし、事前に受け取ったテキストから同じ問題が出題されていたので、80%以上は確実に正解しているはずである。しかしその後も、何度やっても合格せず、きちんと採点されているか疑わしい。すぐに仕事ができるという話だったが、いつまでも仕事ができず話が違う。今まで支払った研修費用を返してほしい。
                                               (50代・男性)

【事例2】 モデルの仕事には高額なレッスン料が必要だった!   

  ある日、繁華街を歩いていたら、「モデルにならないか。」と声をかけられた。モデルに興味があったので自分の電話番号を教えたところ、後日電話があり、詳しい話を聞きに事務所に来るよう誘われたので、3日前に事務所に出向いた。そこで「登録すれば、うちの事務所でやっているモデルの仕事ができる。」と説明を受けたが、「モデルの仕事をするためには歩き方等のレッスンの受講が必要。」ということだった。
 レッスン代が高額なのでためらっていたら「モデルになって稼いでいる子がたくさんいる。」と言われたため、レッスンを受ければ、すぐにモデルの仕事ができて稼げると思った。その日のうちに35万円のモデルレッスンの契約書にサインし、クレジットカードの分割払いにした。しかし、落ち着いてよく考えたら高額で支払えないので、解約したい。 
                                               (20代・女性)
                                                                              

【事例3】 働けば研修費用免除と言われたが、実は高額な借金の契約だった!  

 ネイリストの勉強をして民間資格を取得したので就職したいと思い、ネイリスト募集の専用サイトを見て問い合わせをした。10日前に面接に行ったところ、ネイルスクールの申込書を渡されて、「働くために必要なので、ぜひスクールを受講してほしい。研修受講後1年間、うちで勤務すれば受講料の支払いは免除される。」と勧められたので、あまり深く考えずに渡された書面にサインをした。しかし、帰宅して書面をよく見たら、40万円の「金銭消費貸借書」と書かれていて、借金の契約をしたことに気がついた。この会社から40万円を借りて、研修費用を支払ったことになっているようだ。
 研修では、ネイル作成の作業をしたが、カリキュラム等はなくテキストももらっていない。研修らしいことはほとんどやってもらえず、無給でアシスタントをさせられているようで信用できない。金銭消費貸借書以外の書面は受け取っていないが、この契約をやめることはできるだろうか。                           
                                              (30代・女性)

■業務提供誘引販売取引とは・・・
 上記の事例のように、販売する商品や提供される役務を利用する業務を提供又はあっせんするので、それに従事することにより利益が得られると言って勧誘し、商品を販売したり、サービスを受けさせる取引を特定商取引法(特商法)における業務提供誘引販売取引といいます。
 ここでいう「販売する商品や提供される役務を利用する業務」とは、例えば、購入した教材から得られる知識を利用する業務や、研修やレッスンといった役務の提供を受けて習得した技能を利用して行う業務などをいいます。事例で言えば、Web研修という役務の提供を受けて習得した技能を利用して行うパソコン内職、歩き方等のレッスンを受けて習得した技能を利用して行うモデルの仕事、ネイルスクールを受講して得られた技能を利用して行うネイリストの仕事が該当します。
 業務提供誘引販売取引に該当するにはいくつかの要件がありますが、該当する場合には、以下のような特商法の規制がかかります。  
クーリング・オフ  (業務提供誘引販売取引:特商法第58条) 
◆事業者から契約内容を記載した書面を受領してから20日以内であれば、書面によりクーリング・オフ(契約の解除)ができます。
◆事業者の側に契約の解除について不実告知又は威迫行為があり、消費者が誤認又は困惑してクーリング・オフを行わなかったときは、クーリング・オフ期限が延長されます。

 

 
契約の意思表示の取消し(業務提供誘引販売取引:特商法第58条の2) 
◆勧誘に際して事業者側の不実告知や重要事項の故意の不告知により消費者が誤認して行った契約の申込みや承諾の意思表示は、取消しができます。

 

 

 消費者へのアドバイス
 〜事例のポイント〜
  事例2は、契約書面を受け取った日から20日間(業務提供誘引販売取引のクーリング・オフ期間)を経過していないので、クーリング・オフができます。また、事例3のように、契約書面を受け取っていない時は、20日間を過ぎてもクーリング・オフできる場合があります。契約をやめたいのであれば、クーリング・オフ通知を事業者に送りましょう。
 事例1は、契約してから20日間以上経過していますが、契約の際に事業者の説明に不実のことがあった時は、契約の取消しができる場合があります。ほとんど合格者がいないのに「簡単に合格できる」等、虚偽の説明をされて誤認して契約したのであれば取消しが可能です。


 〜契約する前に気を付けましょう〜

 ●「在宅ビジネスで高収入が得られる」「資格・技術を身につけて在宅ワーク」などと言って勧誘し、実際は高額な教材等を購入させる商法をサイドビジネス商法といいます。
「最初に高額な商品やサービスを購入する必要があるが、業務が提供され収入が得られるので簡単に返済できる。」と説明されても、実際には思ったような収入が得られないというケースも見受けられます。ほとんど収入は得られないのに、支払いだけが残ることも多いため、契約の前に、業務を実際に提供する会社に詳しい説明を求めたり、ホームページで当該事業者の情報を確認するなど、慎重な行動が求められます。

●仕事に就くためや収入を得るために、仕事の提供やあっせんをする事業者から、商品を購入するための多額の費用負担や、高額なレッスンや研修費等の支払いが必要と言われた時は、特に注意が必要です。「お金がないから支払えない」と言うと、クレジットカードの利用を勧められたり、中には消費者金融から多額の借金をするよう勧められるケースも見受けられます。思うように仕事ができなくても、返済できる金額なのかよく考えましょう。

●業務を行うに当たって教材やテキスト等を購入する必要があり、その教材等によって自分で研修することを求めているような場合がありますが、契約者の能力が達していないなどと言って、なかなか事業者が仕事を提供しないケースも見受けられます。契約の際は十分気をつけましょう。

最後に
 事例のような契約をしようとする際、その仕事は本当に提供されるのか、本当に収入を得ることができるのか、収入が得られる仕組みはどうなっているか等、きちんと書面をもらって確認し、契約にあたってはよく考えることが必要です。収入を得ようと思っていたのに、全然収入は得られず、逆に支払いだけが残ってしまったということのないように、契約する前に十分調べ確認し考えましょう。不安になった場合やトラブルに巻き込まれた場合は、早急に居住地の消費生活センター又は当相談室にご相談ください。

(相談先)
■消費者ホットライン(居住地の消費生活センターにつながります)
   電話:0570−064−370
■関東経済産業局 消費者相談室     
   電話:048−601−1239 
■消費生活安心ガイド (特定商取引法に関する情報や消費者向け事例紹介が掲載されています)http://www.no-trouble.go.jp/#top

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