中小企業ネットワーク強化事業

  マネジメントメンター(OB人材)による中小企業支援 
   〜 支援成功のカギはここにあり 〜 東電池株式会社

     

                                                産業部 中小企業課


 関東経済産業局と地域に密着した金融機関が連携して開催する「新現役交流会」。
 課題解決のため支援を求める中小企業と、 当局データベースに登録しているマネジメントメンター(OB人材)のマッチングの場であるこの交流会がきっかけで支援に結びつき、 両者の間に理想的な関係性が築かれた事例をご紹介します。

◇企業情報

 企業名      東電池株式会社(東京都荒川区)
 代表取締役  東 長大
 創業       大正7年
 従業員数    約60名
 URL          http://www.azuma-denchi.jp/

◇支援体制

支援機関:城北信用金庫(東京都北区)
マネジメントメンター:稲田 真作氏(SONY(株)OB) 

【左手より 稲田 真作氏(マネジメントメンター)、東 長大 社長】 

◇支援の背景・内容

 大手電池・照明等電気機器メーカーの代理店として、電池設備照明機器の販売、設備・メンテナンスを行ってきた東電池株式会社は、 代理店ゆえ、メーカーのさじ加減で経営が左右されるというリスクを抱えていた。この状況を打開するため、独自性のある打ち手として全国の電気工事ネットワーク を構築する事業に乗り出したが、東社長は、時代の変化に対応できる強さを持った会社にしていくには、従業員が自発的に考え、事業全体を幅広い視野で見る力を 身につけられるよう意識改革を行い、事業と組織を変えていく必要があると感じていた。
 そんなとき、取引先の城北信用金庫からの紹介を機に新現役交流会に参加したところ、稲田氏と「運命の出会い」が待っていた。 お互いの印象についてお聞きすると、「たくさんの人と会っているので、自分と合うかどうかは感覚的にわかるが、稲田さんとお会いしたとき、 『いいな』というフィーリングがあった」と東社長。一方、稲田氏も、「この方とだったらやれると思った」と語り、双方の一目惚れでマッチングが成立したことがうかがえる。  
 
 東社長は、アパレル業界、卸売業の営業経験を経て、15年前より同社に勤務し、2006年に社長に就任したという経歴の持ち主。会社の課題解決に向けて、 まずは社長と従業員の意思の疎通が図れるよう、稲田氏に橋渡し役を依頼。稲田氏は、社長の思いを理解し、咀嚼し、表現することにより実現に努める一方、従業員に寄り添い考えを共有していく中で、仕事のおもしろさへの気づきや、向上心を持って取り組むきっかけを与えることに成功した。 これらの成果の積み重ねが、会社全体のことを考える体制づくりに繋がったようだ。それまで、同社が展開する複数事業は縦割りの傾向が強く、 多くの共通点を持ちながらも相互にうまくリンクしていなかったが、社長と従業員の、また従業員同士の意思疎通が円滑になったことで、横の連携が構築され、 新事業でもその強みを活かせるようになっていった。稲田氏は週1、2回の支援からスタートし、約1年を経過した頃、同社の組織の一員となった。

【左手より稲田氏(マネジメントメンター)、成田氏(城北信用金庫)】

 
 お互いの思いを汲み取りながら、その実現化に向けて取り組むお二人。とても相性がよさそうだが、大企業OBが中小企業で支援を行う場合、従業員との間に軋轢が生まれ、うまくいかないケースが多い。にもかかわらず、同社と稲田氏の場合、なぜ信頼関係を築くことができたのだろうか。 話を伺うと、最初から苦労が無かったわけではないが、お互いの努力により加速度的に関係性が向上したようだ。 「自分がアドバイザーだと思ってはダメ。そう思っているうちは従業員も外の人間としか見てくれない」と稲田氏。自分も他の従業員と同じなのだということを言葉ではなく態度で示すことを心掛けたという。毎朝の掃除も一緒にしているというのは、それを端的に表すエピソードである。更に、社長が稲田氏を尊重してくれたことや、従業員とのコミュニケーションの場を積極的に設けてくれたことも大きいという。 社長はこう見ている。「ある時、稲田さんが本気になって従業員に意見した事をきっかけに、従業員の反応が変わってきたのかもしれない。」 「前の会社と比べるのはよそうと思った。参考にはするが、この会社にとって何をどうすべきか考えることが大事」であり、「会社の規模ではなく1対1の人間としてどうつき合っていくかが原点」だと語る稲田氏の謙虚な姿勢が、スムーズな人間関係をつくり出しているのだろう。  
 
 どうやら支援成功のカギは、マネジメントメンターと社長双方の心構えと、それをいかに従業員にまで浸透させられるか、というところにありそうだ。 今後は、従来の事業を点から線でつなぎ、トータルソリューションというひとつのサービスとして提供できるような事業展開を考えているという東社長。稲田氏の能力をより発揮してもらえる場になるのでは、と更なる期待を寄せている。
    
  お問い合わせ先
  
関東経済産業局 産業部 中小企業課(新現役交流会事業担当)
                電話048−600−0322

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