海外人材活躍企業 
                   〜 つくばテクノロジー株式会社 〜

地域経済部 産業人材政策課

 つくばテクノロジー(株)(茨城県)は、研究者である現代表の王氏、現取締役の高坪氏が2005年に設立した企業です。非破壊で対象物の欠陥を検査する「レーザー超音波可視化装置」と「X線検査装置」の開発、製造、販売が主要事業です。確かな技術と優秀な人材により一層の海外展開も目指す同社をご紹介します。

1.企業概要

(1)オンリーワンの非破壊検査装置

 同社はレーザーを照射して生じる超音波により内部欠陥や異常を検知する「レーザー超音波可視化検査装置」等の開発、製造、販売を行っています。同装置は、自動車、航空機、発電プラント、造船、鉄鋼、電子部品など様々な分野で、対象物と非接触で検査をする装置であり、従来は検査が困難あるいは不可能であった複雑な形状の対象物でも検査を可能とする画期的な装置です。

                      
レーザ超音波可視化検査裝置 ( LUVI-SP2 )  
レーザ超音波可視化検査裝置 ( LUVI-SP2 ) 


 「レーザー超音波可視化検査装置」の強みの一つは、超音波伝搬の「可視化」であり、同社の独自技術です。従来の超音波検査では、波形を見て欠陥を示す信号を判断する必要があり、有資格の熟練した専門家しか検査をすることができませんでした。しかし、同社が世界で唯一確立した「超音波が実構造部材を伝わる様子を可視化(画像処理)する技術」により、数時間のトレーニングを受けることで誰でも検査が可能となりました。

                      
車軸の欠陥可視化画像  
車軸の欠陥可視化画像 
                      
 


 もう一つの強みは、「非接触」です。このため検査対象物が高温や危険物である場合、人が近づけない位置にある場合でも検査可能です。レーザーの発振は10メートル、受信は2メートル離れていても可能です。
 また、従来プラントを停止して検査していた場合でも、停止させずに稼働したままの検査も可能です。電子部品の検査についても、これまでは、水中で測定するしかなく、抜き取りのサンプル検査のみであったところ、同社装置では空気中で検査を行うため、全数検査が可能となっています。 
  加えて、検査対象物が非常に大きい航空宇宙関連や高い放射線量で近づけない原子力関連施設の検査にも貢献しています。同社装置ではこれまでの10倍以上のスピードで検査が可能であるため、例えば、当装置により原子力発電所では2人がかりで数時間を要する検査が1人10分程度でできるようになりました。
 将来的には、発振・受信ともに数十メートル離れていても検査可能にすることを目指しています。

 

(2)エックス線を活用した装置も開発

 もう一つの中核製品は「X-RAY INSPECTOR(小型X線検査装置)」です。こちらは主に電線、石油プラント配管検査、コンクリート検査等に使用する装置です。従来、X線を作り出すには陰極を加熱することが必要で、装置は大型でX線が出るまで時間がかかるのが通常です。しかし、当装置は小さく、軽く、電池一本で直ちにX線が発生するという画期的な装置です。小さいので持ち運びも可能です。例えば、高圧電線は、これまで電力事業者の職員が高所に登り、検査していましたが、当装置をリモコンで自走式にすることで、取り付け時以外は、人が高所に登らずに、従来よりも安全に検査ができるようになります。また、単三電池一本で検査ができるポータブルX線検査装置(2sで持ち運び可能)や医療用ポータブル3D表示X線撮影装置なども開発中です。

                      
小型X線検査装置 ( X-RAY INSPECTOR ) ポータブルX線検査装置
小型X線検査装置 ( X-RAY INSPECTOR )ポータブルX線検査装置

(3)産総研技術移転ベンチャー

 代表の王氏は、中国漢中市で生まれ、1982年に西安電子科技大学を卒業後、1993年に筑波大学大学院に研究生として留学しました。その後、2001年からは工業技術院・産業技術融合領域研究所(現・産業技術総合研究所(以下、産総研))に研究者として勤務しました。研究に従事する中で「技術で社会貢献したい」との強い思いを抱き、2005年7月に現・取締役の高坪氏と一緒に有限会社として同社を立ち上げました。2007年7月には株式会社に組織変更し、増資。2007年11月には「産総研技術移転ベンチャー」の認定を取得しました。
 経営理念は、@誠実守信 A求真創新 B発展貢献。「『誠実』とは、嘘をつかず、取引先に何ができて何ができないかをしっかり伝えること、『守信』とは信用を必ず守ることであり、伝えた事は必ず守ること。そして、『真実』を追求し、新しい物、イノベーション創出を目指し、当社の技術で社会の『発展』に『貢献』することを目指します」と王代表。独自技術と実直な取組みが評価され、2006年には日本非破壊検査協会の奨励賞、2007年には日本可視化情報学会の学会賞(技術賞)、2014年には独立行政法人中小企業基盤整備機構のジャパンベンチャーアワード理事長賞、常陽銀行の常陽ビジネスアワード優秀賞(つくば特別賞)を受賞しています。

                      
高坪取締役と王代表(右側)  
高坪取締役と王代表(右側) 

2.多様な人材の活躍

 同社は、20名弱の企業ですが、日本の理系大学院を卒業した海外出身者が7名も活躍しています。王氏自身が日本への留学生であったことから、国籍にこだわらない採用を展開するとともに、博士課程を卒業した高度人材も多く活躍する頭脳集団です。
 大学院の研究室や実験室のような執務室で、社員の皆さんが真剣なまなざしで仕事に臨んでいます。所帯が小さいが故に、研究者であっても、総務・経理・営業などもこなします。女性で中国出身、国立大学法人大阪大学大学院薬学科の修士課程を卒業した楊さんは、子育てと両立しながら総務部門で活躍し、同社に就職後、簿記2級を独学で勉強、見事合格し、経理部門でもその力を発揮しています。
 同社は、人材育成の一環として、社員に対して外部研修にも積極的な参加を促すとともに、研修に係る費用も会社として負担し、資格取得後には社内でお祝いパーティーなども実施しています。仕事をきちんとこなせば、勤務時間中でも資格取得に向けた勉強も可能であり、資格取得後は給料も上がります。
 独自の技術力はもちろん、優秀な社員の活躍により、主力商品である「レーザー超音波可視化検査装置」はこれまで国内6社、海外4社に販売実績があり、売上高も前期比5割増しと順調に伸びています。  

                      
つくばテクノロジー(株)の皆さん(前列の一番右側が楊さん)  
つくばテクノロジー(株)の皆さん(前列の一番
右側が楊さん)
 

3.今後の事業展開と人材戦略について

 今後の事業展開については、更なる微細な欠陥の検出や装置そのものの一層の小型化などの改良及び営業の強化を計画しています。2014年3月には東京に営業所を設けました。海外については、中国、韓国、インドへの進出を目指し、アメリカ、ヨーロッパの代理店との契約も進めています。医療分野への展開や納品後のアフターケアサービス事業についても視野に入れています。
 人材戦略については、海外展開に対応するため今後も、積極的に海外人材を採用する予定といいます。
 同社は、独自の検査技術を武器に、優秀な社員とともに非破壊検査の分野のトップを目指します。

つくばテクノロジー株式会社
◇ 住所 茨城県つくば市千現1−14−11  
◇代表者名 代表取締役社長 王 波 氏
◇創業年 2005(平成17)年
◇資本金 1,000万円
◇事業概要 非破壊検査装置の開発・製造・販売
◇従業員 19人(正社員16名)※平成26年9月現在      
うち女性:3名(正社員3名)、外国人:7名(正社員6名)
◇ URL http://www.tsukubatech.co.jp/    

       経済産業省施策活用実績
       ○平成23年度戦略的基盤技術高度化支援事業
       ○平成24年度補正イノベーション実用化ベンチャー支援事業

過去の「産業人材」はこちら

ホームページへ戻るTOPへ戻る

発行元:
〒330-9715 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地1 さいたま新都心合同庁舎1号館
関東経済産業局広報・情報システム室
電話:048-600-0216    FAX:048-601-1310