平成27年度地域産業振興講座(第8回)開催概要

地域経済部 地域振興課

日時 平成27年11月18日(水)
テーマ 自治体の産業振興担当者のための情報収集法
講 師:中央大学 学事部学事課副課長 梅澤 貴典

 第8回地域産業振興講座では「情報活用」をテーマとし、中央大学図書館にて長く司書を勤めた経験のある梅澤氏から、図書館活用法と公的データベース検索法を中心に情報の信用性の評価基準や情報収集法についてご講演いただきました。今回はその概要について掲載いたします。

1.学術情報を取り巻く環境・研究図書館の役割の変化

中央大学 学事部学事課
副課長 梅澤 貴典 氏

 学術情報を取り巻く環境として近年の大きな変化は インターネットの普及であり、これにより個人が収集 できる情報の「量」は飛躍的に増加した。しかし一方 で「質」に関しては不確かな情報まで混在するように なっており、用途に応じて確かな情報を探し出すため のスキルが必要となっている。  
 インターネットを使用する際に、経済・法律・科学 技術など各分野において専門性が高く裏付けのある情報は、一般的な検索エンジンでは収集が出来ないことはあまり認識されていない。「ネット環境さえ整っていれば、どんな情報でも手に入るようになった」というのは大きな誤解であり、実際には情報の種類や用途に応じて検索エンジンと図書館や公的機関などのデータベースを使い分けて探す必要がある。
 職務に責任を持つ社会人にとって、一般検索エンジンやフリー百科事典などに頼った信憑性の低い情報の安易な利用が認められないことはもとより、集めた情報の出典表記の必要など、活用上の知識不足も大きな問題点となっており、情報の正しい「探し方」・「活用の仕方」両方に関する「学術情報リテラシー」が重要となっている。

2.情報の評価基準の重要性

 収集した情報の信用性を測るための評価基準として、「どこの誰による発信か」を辿れることや「先行研究を踏まえた客観的で偏りのない論考かどうか」という点が評価基準となる。誰が発信したのかわからない情報は出典を示せないため、企画書などに使う事はできない。また、政策課題などについては新聞各社で論点や見解が異なることがあるため、複数を比較することが必須となる。

3.図書館の活用

 新聞のデジタル版など責任のある情報は、取材や執筆によるコストが発生していることから、基本的に有料である。また、大学等に籍を置いていないと閲覧できないような情報も多くあるため、個人で得ることが可能な情報には限界がある。このような環境の中、信用性の高い情報を収集する手段として有効なのが、図書館の活用である。図書館では、レファレンスサービスを始めとし、書籍・専門雑誌等の最新情報を得ることができることに加え、契約を結んでいる目的別のデータベースを使用して、書籍のみならず新聞記事や専門雑誌の記事・論文を検索することも可能である。また本来であれば、提供者に料金を支払わなければ閲覧出来ない情報であっても、図書館が契約を結んでいる場合、利用者は無料で閲覧できる点においてメリットが多い。

4.情報の検索方法

 インターネットを活用した情報の検索方法については、求めている情報の種類により「どこを探すか」を選ばなければならない。多くの情報が探せる検索エンジンが常にベストなわけではなく、また、万能な検索エンジンは存在しないことを憶えておいて欲しい。「過去の新聞記事を探す」・「政策系の専門誌の記事を探す」・「政府による統計を探す」など、目的が決まっている場合には検索エンジンではなく以下に示したような各種データベースで探したほうが遙かに速く的確に情報が集まるため、それぞれの特性を理解する必要がある。 
 また、用途に応じてデータベースを組み合わせて使用することにより、効率的に信用性の高い情報を収集することができる。

講演で紹介したデータベースごとの検索対象は以下の通り。

データベース名 検索対象
Webcat Plus 日本で刊行された本
CiNii Articles 専門雑誌に載った記事・論文
カーリル 全国の公共図書館等の蔵書
国立図書館サーチ 国立国会図書館所蔵資料等
ジャパンナレッジ 会員制ネット百科事典(有料)
科学研究費助成事業データベース 科学研究費助成研究・報告書の検索
JAIRO 大学等の研究機関が公開するWeb閲覧可能な論文
World Cat 世界の主要な図書館が所蔵する20億件の本・雑誌・新聞記事等
大宅壮一文庫 大衆雑誌記事(有料)
聞蔵U 朝日新聞・週刊朝日・AERAの記事(有料)
e-Stat 日本の各省庁による統計データ
e-Gov 現行法規・判例検索など
国立国会図書館リサーチ・ナビ テーマ毎の「調べ方」そのもの

5.引用表示について

 他人の論文等を引用する場合には、「どこまでが他人の論文からの引用か」・「どこからが自分の考えか」を明示する必要がある。具体的にいえば、誰が、何という論題で、どの雑誌の何年何巻何号に書いた論文のどのページから引用したのかを明記する必要がある。 引用表示の例については以下の通り

(1)参考文献の記載例

(2)本からの引用例

(3)URLから引用例

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