平成26年度地域産業振興講座第4回開催概要 
  企業見学  〜武州工業株式会社〜  

総務企画部企画課

 東京都青梅市の武州工業株式会社は、パイプ曲げ加工、板金加工などで自動車、医療、航空宇宙分野における様々な部品を提供する企業です。試作開発から量産、少量多品種生産まで対応し、品質面では不良品ゼロに挑戦する取り組みは大手自動車メーカー、医療機器メーカーなどからも大きな信頼を得ています。
 今回は、林社長より企業概要をご説明いただいた後、本社工場、新工場の見学を行いました。以下、同社概要をご紹介します。

日 時 平成26年7月17日(木)10:00〜12:00
場 所 武州工業株式会社

 

<企業概要>

1. 地域の雇用を支える企業

代表取締役 林 英夫氏
代表取締役 林 英夫氏

 武州工業株式会社は、東京都青梅市に本社を置く企業です。生産拠点である本社工場、新工場はいずれも青梅市内にあります。約140人の従業員は全員が近隣住民であり、毎年10名程度の新規採用を行うなど、地域に貢献しています。勤務形態は、日勤8時間、月20日勤務であり、従業員本位の経営を心がけています。
 そのような経営を続けながら、主力製品である自動車部品などのパイプ加工では、1月に900種類の製品をそれぞれ平均1,000本、合計90万本生産しています。また、近年は医療機器部品の受注が好調で、今後も売上の大きな伸びが期待できる状況です。
 さらには新たな取組として、細いパイプをつなぎ合わせて自由な造形を行える玩具の製造、販売にも挑戦しています。
 海外に生産拠点を移すものづくり企業が多い中、日本国内での生産にこだわり、地域の雇用を守りつつ黒字経営を続ける当社が目指すのは、「ローコストカンパニー(LCC)を日本で実現させること」と林社長は語ります。

2. 日本国内におけるローコストカンパニー(LCC)の実現

 (1)自社開発による設備

 当社では、生産設備を自社開発しています。汎用機は高機能を有する反面、大型で使用エネルギーも大きく高価であることがあります。生産設備の設計から製造まで自社で行い、生産に必要な機能に絞って設備、治具等を開発することで、設備の小型化、省力化、設備投資の軽減を実現しています。また、職人技術のノウハウを生かした自動制御の設備やシステムを内製化することで生産の効率化を図っています。

 (2)多能工化が生む「一個流し」製造

 自社開発で小型化、省力化した設備が、当社の特徴的な生産体制である「一個流し」を可能としています。当社で行われている一個流しとは、一人の技術者が一つの部品製造にあたり材料調達から加工、品質管理、出荷管理を行う生産方法です。最大9つの加工工程を一人の技術者が担当しています。そのため、技術者となる従業員の多能工化が必須であり、技術習得に向けた研修にも力を入れています。その一つの例が、アルミのロウ付けです。高度な技術を要するこの加工技術を、入社時の2週間の研修で全員に身につける教育を行っています。
 また、一個流しの工程内に製品の検査が組み込まれています。そのため、製品の全数検査が行われ、品質管理の徹底が図られています。

 (3)徹底した生産体制

 当社では、その日に生産する量に合わせて、材料や部品の調達を行い、その日に製造したものはその日中に出荷しています。これを可能にしたのは、調達から出荷まで全ての情報をシステムで一元管理し、事務所、製造現場、受注先などと情報の共有を確立したためです。こうして、在庫を必要最低限に抑えることと、受注から納品まで48時間というリードタイムを実現することの両立を実現しています。
 さらに、製造現場での各工程の手順をiPadやパソコンを活用して管理することで、製品のトレーサビリティをシステムで管理しています。


同社ホームページより 作業風景
【同社ホームページより】 【作業風景】













3. 成長分野と今後の取り組み

 (1)医療分野への挑戦

 当社ホームページを見た大手医療器具メーカーからの問合せを受け研究開発した、医療用パイプの売上が伸びています。医療用パイプは、その使用形態から今後も需要の拡大が見込まれています。パイプ加工の高度な技術を有し、出荷量の増加に対応できる当社は、大手メーカーから信頼を得て、受注量を大きく伸ばしています。

 (2)新工場

 医療用パイプ等の受注増加に対応するため、平成26年春、青梅市内に当社の新工場が竣工しました。
 この新工場は、周辺地域の環境へ配慮した構造となっています。主な特長は太陽光発電の実施と雨水の有効活用の2点です。太陽光発電は、工場屋根に発電パネルを設置し、100㎾の発電を行っています。雨水の有効活用は、工場で使用する冷房等から発生した熱を工場地下に貯水した雨水を利用して蓄え、夜間に地中へ放熱する仕組みです。これにより、冷房排熱を大気中へ排出することを防いでいます。また、雨水を沈殿処理、オゾン殺菌することで工場内の洗浄水、トイレ用水として活用しています。

 (3)自社ブランド玩具の製造、販売への挑戦

 当社では、自社ブランドの玩具として、パイプとパイプをつなぐジョイントパーツのセット「パイプグラム」の製造、販売を始めました。このパイプグラムは、「東京ビジネスデザインアワード(※)」にて当社とデザイナーの小関隆一氏が連携し開発、2013年度の当該アワードにて最優秀賞を受賞した商品です。パイプにジョイントパーツを差し込み、自由に連結し、様々な姿の立体を造形することができます。  
 企業間取引が事業のメインの当社ですが、自社ブランド商品の製造、販売への挑戦をしています。

 地域に根ざし、新しい分野へ果敢に挑戦する当社は、地域社会を支える大切な企業です。

(※)東京ビジネスデザインアワード  東京都が主催する、都内のものづくり中小企業と優れた課題解決力、提案力を併せ持つデザイナーとが協働することを目的とした、企業参加型のデザイン・事業提案型コンペディション。


自社ブランド「パイプグラム」 質疑応答の様子
【自社ブランド「パイプグラム」】 【質疑応答の様子】
武州工業株式会社
◇住所 〒198-0025 東京都青梅市末広町1-2-3   
◇代表者名 林 英夫
◇創業 1952年
◇資本金 40百万円
◇従業員 140人
◇URL http://www.busyu.co.jp/index.html    

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