平成26年度地域産業振興講座第4回開催概要   

総務企画部企画課

日 時 平成26年7月17日(木)14:20〜15:10
場 所 中小企業大学校東京校2号館1階 2102教室
テーマ 「日本政策金融公庫の創業支援の取り組みについて」
講 師 日本政策金融公庫 国民生活事業本部 創業支援部 
創業支援グループ グループリーダー 森本 淳志 氏  

 

1.日本政策金融公庫とは

株式会社日本政策金融公庫 国民生活事業本部 創業支援部 創業支援グループ グループリーダー 森本 淳志 氏
株式会社日本政策金融公庫
国民生活事業本部 創業支援部 
創業支援グループ 
   グループリーダー 森本 淳志 氏

 平成20年10月に4つの政府系金融機関(国民生活金融公庫、農林漁業公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行(現在は分離・独立))が統合して日本政策金融公庫が誕生し、国の施策に基づいた政策金融をおこなっている。支店は、全国に152店あり市町村の方々とも強い連携を持っている。
 公庫の取引先企業数は、概ね93万社である。職員数はおよそ4500名で審査担当の職員は事業計画、決算書を見て、金融のさまざまなデータを分析しながら審査を行い、年間約27万件の融資を実行している。
 中小企業向けの融資業務は国民生活事業と中小企業事業(今回は、農林水産事業については説明を除く)が担当している。国民生活事業では小口融資が中心で制度別の融資限度は約7千万円であるが、中小企業事業では制度別の限度額は約10倍の約7億円である。
 国民生活事業は町の商店街の商店や家族で経営している工場など小規模事業者を対象に少額(1企業あたり平均679万円の残高)融資をおこなっている。現在は、第三者の保証は取らず、かつ無担保中心で融資をおこない小規模企業の経営安定や成長を支援している。
 年間におよそ10万社が創業すると言われている中で、24%くらいの創業者が当公庫の融資を使って創業している。アンケートによると多くの創業者は自己資金で開業するので、創業融資を受けている創業者のかなりの割合が公庫を利用していると思われる。
 創業者の約6割が個人経営でスタートしており、創業時の平均年齢は、平均41.7歳で、全体の2/3を30代〜40代が占めている。
 創業支援の難しさとしては、効率的な活動が困難だということがあげられる。開業時期は、開業者自身の決心やマインドにより決まるため、支援した先がいつ開業するかが最初は明確ではない点。また、支援するステージもさまざまな点である。
 しかし、新規開業に融資することは、地域に雇用を創出し、地域経済の活性化に繋がるため非常に重要である。

2.地域での役割

 公庫では、平成17年から全国15カ所の「創業支援センター」で創業支援団体と連携して創業に向けた無料セミナーを開催している。また、商工会議所や、中小企業振興公社などに出張講師として出向き、創業者に向けて「事業計画書の作り方」や「公庫や金融機関が事業計画書をどのように評価するか」などの無料セミナーや指導を行っている。
 また、ビジネスサポートプラザでは、創業者の多くがサラリーマンのため休日や夜間の相談を行っている。今年からは、東京だけではなく札幌・仙台・福岡でも同様に開設している。
さらに、「創業ホットライン」も新たに創設した。今までは、相談対応を電話オペレータで対応していたところ、現場の融資担当者を、電話対応者として置き、より具体的な相談ができるよう環境を整えた。

3.「神戸コンシェルジュ」の取組みと金融機関との連携について


 「神戸開業支援コンシェルジュ」は、神戸市産業振興財団、神戸商工会議所、当公庫神戸創業支援センター等の支援機関同士がネットワークを組んでどこの支援機関に行っても専門家を紹介できるようにスタートしたシステムである。支援機関が集まる会合を定期的に開き、お互い顔の見える関係を築いたことがポイントであるが、市が関与することで連携が具体的になり創業支援ネットワークとすることができた。市民が利用しやすい市役所は、市報をはじめとした周知チャネルにおいても役割は非常に大きい。この仕組みが産業競争力強化法にも取り入れられ、現在では、168の支援ネットワークが認定され創業を目指す方にワンストップのサービスを提供している。
 また、公庫は、金融機関とも連携はしていたが、実質的な連携は進んでおらず、金融機関は、公庫とどのようなレベル感で連携したらよいかわからない状況であった。そこで勉強会や懇親会を通じてお互いに顔の見える関係を築くことにより双方が勘所を理解し、協調融資スキームを構築した。1年間でおよそ100機関の金融機関で協調融資スキームができた。これにより、創業計画書の共用や面接日に公庫の職員と金融機関の職員が可能な限り同席し協議をして結論を出すなどによりワンストップサービスを提供している。
 

4.最近の取組について

 公庫では、今後開業率をどう増やしていくか検討した際に、各国で行っている起業意識調査に着目した。この調査によるとキャリアとしての起業の位置づけやスキルがあるという項目については、日本は最下位であった。なぜ、このような事態になっているのか考えたところ、日本は開業や起業に向けて教育をしてこなかった点が理由として挙げられた。そこで、起業教育について高校などにヒアリング調査してみたところ、実務的な部分を担う人間がいないという問題点が上がった。
 そこで、公庫は活力ある日本を作るため次世代を担う若者のマインド向上を図ることを目的とした、ビジネスコンテストを企画した。これは、全国の高校生にビジネスプランを収支計画まで作成してもらい、審査し競うものである。公庫は、依頼を受けた82校の高校において「ビジネスプランの講座」の出張事業行い、およそ2,400人が授業を受けた。感想文の一部を紹介すると「労働者の立場で給与が減るのはすごく迷惑な話であったが、企業が赤字であると潰れてしまう、ビジネスプランで黒字を出そうとした時、まず削減したのは人件費でした」など、同世代では普段考えもしないであろうことが書かれていた。
 ビジネスプランの作成は学校の先生では教えることが困難な部分であるため、第一回目では数100件集まればよいと考えていた。しかし、予想を上回る1,546件が集まった。また、教育効果を上げるために全プランに対してフィードバックを行った。最終的に8組のプレゼンテーションによる審査会を行ったが、これ以外にも高い評価を得たプランが多かったので、ベスト100賞を作り、高校に表彰状を持参し別途表彰した。
 本取り組みは全国的に広がり、大変評判の良い取組みであったが、残念なことに関東近郊の普通科の進学校は、学習指導要領以外の取組みに対して消極的な傾向にある。次世代を担う若者の力を養うことができるコンテストであるため、もし、関東地域の教育機関の関係者をご紹介していただけるのであればお願いしたいと考えている。

株式会社日本政策金融公庫シンボルマーク
株式会社日本政策金融公庫シンボルマーク

 

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