企業情報

地方ケーブルテレビ(CATV)局の活性化を目指して
〜クラウドを活用した地域で連携したコンテンツの配信と
                                        共有ネットワーク構築サービスの開発〜
                             株式会社ビデオ・テック

産業部 中小企業課

 今回ご紹介する株式会社ビデオ・テックは、弱体化する地方ケーブルテレビ局を新たなサービスの導入により活性化することを目指しています。そのサービスの特徴をご紹介いたします。

 全国で2,918万世帯が加入(総務省調べ)するケーブルテレビ(以下、「CATV」という。)の放送は、編成された番組を装置上で放送順に組み合わせ、それを送出することで放送を行っています。この作業には秒単位の正確性を求められます。
 静岡県沼津市にある株式会社ビデオ・テックは、この番組自動送出装置の製造を行っています。同社の番組自動送出装置「VATIC」は、創業者である平石社長のCATVのオペレーター経験を踏まえ、CATV局のオペレーターが直感的に操作できる仕様で統一して製造されており、現在では市場シェア4割超を制しています。  

 株式会社ビデオ・テックは1976年、静岡県沼津市に開局した自主放送をCM収入のみで運営するCATV局「沼津放送」が前身になります。当時はCATV局に対応した放送装置などなく、送出時刻になると制作スタッフがVTRとスイッチャーを操作し、手動で番組の送出を行っていたそうです。まだ、パソコンなどない時代に「放送を何とか自動化できないか?」という平石社長の強い想いから手作りのVTRの交互運転装置が出来上がりました。これが番組自動放送装置の原型とも言えるものです。  
 この自動放送装置はその後も同業のCATV各社から相談を受け、その局向けの放送装置を制作しました。三十年以上、テレビの仕組みが変わる度にVTRのフォーマット変更に翻弄されながら独自の進化を遂げ続け、現在では大手CATV局の標準となるまでになりました。

株式会社ビデオ・テックが製造した番組自動放送装置「VATIC−9800」
 
番組自動放送装置のオペレーション画面

【現在の地方CATV局が抱える課題】

 全国で2,918万世帯が加入(総務省調べ)するCATVですが、地方のCATV業界では人口減少や魅力的な番組の制作におけるコストの増加等の問題により、経営の弱体化が問題視されております。
 CATV局ではその性質上、近隣局とは視聴者獲得の競争もあることから、連携して番組を制作、放送するという習慣はほとんどありませんでした。しかし、近年では災害時の放送業務に対する関心や、区域外再放送の制限、通信事業者の台頭により、CATV業界に共通する危機感が高まってきています。
 一方で、地上デジタル放送にも大容量ファイルに適した記録用メディアが存在しないこと、地上デジタル波放送では帯域不足により、4K放送を実現する条件が揃わない等の課題が存在するとの声があります。これに対してCATV放送では、大容量データに対応可能な光ファイバ伝送路を有しており、今後必要とされる放送用インフラを構築可能なため、4K放送普及の要になる可能性が高いという強みがあります。
 CATV業界では、この強みを活かしつつ、前述の課題を解決するため、高画質で情報量が多く視聴ニーズが高い魅力的なCATVオリジナルの番組を、低コストで制作する仕組みが必要でした。

【地方CATV局の活性化策】

 株式会社ビデオ・テックが考えた地方CATVの活性化策は、CATV局が独自に有する第2コミュニティチャンネル(CATV局では最大で2つのチャンネルIDを有することができ、第2コミュニティチャンネルはメインのチャンネル回線に対して、サブのチャンネル回線を指します)を活用した複数局の共同運用によるオリジナルの番組を配信する仕組みを確立することで、CATV局の番組制作の低コスト化、視聴者にとって魅力的な番組の放送を実現できるというものです。
 具体的には、観光事業の発展や災害対応を連携させた取り組みとして、主要道路や海岸線、大きな病院付近等の遠隔地にライブカメラ(定点カメラ)を設置します。この定点カメラは高性能なものを使用し、夜でも月明かりの光で映像を確認できるほどのものを想定しています。また、これらの映像をクラウド上で共有することで連携している各放送局にとってエリア外となるライブ映像も放送することが出来るようになります。
 平常時には観光情報、主要道路の渋滞や大病院の駐車場の混雑の状況、また、海岸線の情景等を中継・放送し、災害時には災害情報共有システム(Lアラート)を起動させ、放送する計画です。  

 株式会社ビデオ・テックと共に地方CATV局の活性化に取り組む会社があります。株式会社アサカは東京都日野市で放送関連の機器、映像関連機器、ストレージシステムを製造販売している会社です。各テレビ局を顧客とし、放送局の要望を熟知している株式会社アサカが、災害対応時に起動するLアラート送出の映像コンテンツの流れを自動で送り出す機能・構造を研究開発し、アーカイブ装置の提供を行います。  
 また、富士通エフ・アイ・ピー株式会社の協力を得てクラウドデータセンターの提供と回線管理、クラウドを利用した番組自動送出装置の共同開発を行います。

【進化を続けるテレビ業界】

 株式会社ビデオ・テックとその連携体によるこの新しい挑戦は、平成27年8月に国の「新連携事業計画」として認定を受けました。「新連携事業計画」は異業種の中小企業がお互いに経営資源を持ち寄り、新たな分野を開拓する事業計画に対して国が法律上の認定をはじめとする各種の支援を行うものです。
 CATVには地上波放送の補完を担う役割もあり、テレビ放送の変革が起こる度に円滑な放送を行う為の努力が必要でした。今後も2020年の東京オリンピックに向けた4K・8Kの高画質放送という変革が起こることを認識している中で、進化を遂げ続けることが必要である事を平石社長は強く意識されています。
 テレビ放送の仕組みに関わり続け、今後もCATV界の新たな役割を担おうとしている株式会社ビデオ・テックの今後ますますの活躍に期待しています。

 
株式会社ビデオ・テック
◇住所 静岡県沼津市下香貫島郷2761-1
◇代表者名 代表取締役 平石能敬
◇設立 昭和58年10月1日
◇従業員数 9名
◇業務内容 CATV局・CS局向け番組自動放送装置システムの開発・販売
◇URL http://www.videotech.co.jp/jpn_index.html

●関連施策
   新連携支援

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