企業情報

スマートなひらめきをものづくりに「+(プラス)」する企業
                            ダブル技研株式会社

産業部 製造産業課

 近年のものづくり産業においては、海外企業等を含む同業他社間のし烈なコスト競争を背景に、生産効率向上を図るべく生産設備の自動化、省力化等が急激に加速している。また、生産する製品も多岐にわたっており、多品種生産に対応する設備の導入費及び運用コストの低減が大きな課題となっている。
  このようなニーズを敏感に察知し、長年にわたり自動化、省力化、量産化に応えてきたノウハウを生かし、新たなひらめきを基に産業界、福祉業界に新風を巻き起こす企業がある。
  今回は、産業用・福祉用のロボットハンドを始め、画期的なオンリーワン商品を開発するダブル技研株式会社を紹介する。

ダブル技研株式会社 和田 博 社長

【ダブル技研株式会社について】

 同社は昭和52年の設立以来、半導体業界、自動車業界、電機業界、精密機械業界等の自動化、省力化、量産化設備の提案開発から製造販売までを一貫して行っている。この業態にありがちな提案、設計のみを手掛け、製作、組立等は全てアウトソーシングに依存するという形態ではなく、機械加工や組立、電装等についても自社で対応可能な設備・技術・ノウハウを兼ね備え、一貫したソリューション提供が可能な体制を構築しており、取引先からの信頼も厚い。  
 また、FA(ファクトリーオートメーション)業界での長年の実績及び大学等との積極的な共同研究を基に、大学等のシーズに同社のひらめきを追加することで画期的な製品を多数生み出し、大学等の研究機関には実験・実証機器、福祉業界には画期的な新商品を提供している。同社の開発する製品は、自動ページめくり機「りーだぶる」の福祉機器コンテスト最優秀賞受賞を始め、神奈川県工業技術開発大賞を受賞するなど、産業界、福祉業界から非常に高い評価を得ている。
 同社の和田博社長は「『FAにおけるものづくりに対する考え方』と大学・研究機関の『基礎理論・技術』 に私たちダブル技研の『スマートでひらめきのあるセンス』を融合することで、 画期的なオンリーワン商品・サービスの開発が可能になる。この融合技術が、ダブル技研最大の特色である」と語る。

同社開発製品

「りーだぶる」 「D-Hand」 FA機器

1998. 5 福祉機器コンテスト最優秀賞     2012.8神奈川工業技術開発大賞 大賞
1999.10神奈川工業技術開発大賞 奨励賞 2013.11九都県市のきらりと光る産業技術表彰

【和田社長の経営方針について】

ダブル技研株式会社は、基本理念として

●技術系のスマートで閃きのある会社を目指す 。
●ユニークな発想で、ニッチでも新市場を創れ、更には社会貢献できる商品開発を 目指す。
●人と機械の調和をイメージしたモノ作りを目指す。
●全社員が夢を持てる、誇りを持てる、そして対価も得られる会社を目指す。

を掲げている。

 とはいえ、斬新な製品を開発し続けるには、同社だけでは当然限界があり、重要なことは、常に市場のニーズ、大学等研究機関が有するシーズに敏感であることという。同社は社長自らが大学等研究機関の研究者に対し積極的にアクションを起こすことで、様々なコネクションを増加させてきた。大学等が有するシーズを市場のニーズに照らし合わせ、共同研究により同社のひらめきと保有FA技術を追加することで、新たな製品を生み出しており、産業用エンドエフェクタ「D-Hand」や福祉業界で評価を得ている「りーだぶる」も大学のシーズを活用した製品である。  「今後も大学等研究機関とは近い存在で有り続け、積極的に共同研究を行っていくことで、産業界、福祉業界に寄与する製品を開発していきたい」と和田社長は語る。
 さらに、同社は、従業員教育についても、これまでに無いものを生み出す研究開発企業として、厳格な管理により従業員を縛りつけるのではなく、自由な発想、発言を歓迎する社内環境を構築している。従業員のひらめきで面白そうなものは前向きにチャレンジしていく方針をとり、従業員自身も常に考えながら業務することで、発想力向上を図っている。
 同社は、自由な発想、チャレンジから新たな学びを得る企業風土を大切にしており、大学の学生からもダブル技研で働きたいとの話が多く寄せられていることなど、働き手にとっても魅力がある企業であることの現れであると感じる。

【同社が開発した製品について】

◇産業用・生活支援用エンドエフェクタ「D-Hand」
 生産の現場では、対象物を仕分けしたり、加工のために持ち上げたりする必要があるが、それを自動化するには、都度、対象物に適した専用の装置取付けのための設備投資を行う必要があり、ランニングコストにおいて課題がある。また、生活支援ロボットについても把持対象物に合わせて都度変更する必要のないエンドエフェクタが必要とされている。このような課題をクリアするために、生産ラインの現場から日常生活の場まで、様々な形状をした物体を把持することのできる装置が必要とされている。

 同社は、上記ニーズを基に多様形状に柔軟に対応できるエンドエフェクタの研究開発に着手。物体を把持する際に手のひらが重要な役割を持つことに着目し、手のひら機構を有した多指ロボットハンド「D-Hand」を開発した。(平成22年度戦略的基盤技術高度化支援事業「不特定形状のワークを把持可能なフレキシブル構造を有する低コストなエンドエフェクタの開発」による研究開発) 「D-Hand」の特徴は、今までのロボットハンドにはない手のひら機構の導入により、指だけで把持する従来機種と比較し、手のひらと指で対象物を把持する、人間がモノを掴む動作により近い設計としており、様々な形状の物体を的確に把持することが可能である。  

 また、「D-Hand」は設備導入費及びランニングコストの削減についても十分に配慮されている。手のひら機構による把持力上昇を最大限に活用することで、多指部全ての関節が単独で稼働する等の複雑な機能をあえて排除し、シンプルな設計とすることで、アクチュエータやセンサの数を大幅に削減している。これにより、多様形状でも安定した把持力を保持しながらも、設備投資費用の削減及び多指部の複雑なシステム制御を不要としたことによるランニングコスト低減を可能としている。
 当該技術は、将来的にも生活支援用ロボットハンドに応用が可能であり、ヒューマノイド型ロボットハンドとして実用化するべく、軽量化、コンパクト化等の容姿向上、把持可能重量、使い勝手等機能性向上に取り組む方針であり、今後の福祉業界での普及が期待される。

◇自動ページめくり機「りーだぶる」

  「りーだぶる」は文庫本サイズからA4サイズまで、ハードカバー、厚紙等、幅広い書物のページめくりが可能な装置である。読む姿勢も選ばず、仰向けの状態であっても読書が可能な設計であり、操作も指によるリモコン操作、指による操作ができない方の場合には呼気、音声等による操作も可能であり、重度の障がいを持たれている方でも読書をする喜びを得られる製品となっている。
  「りーだぶる」は障がいを持たれている方が自由に本を読めることに喜びを感じてもらいたいということを念頭に開発したものであると和田社長は言う。
 これまでは、食事や排泄、入浴等の行為の補助のみが福祉として位置付けられてきたように思うが、食べる動作よりも、何を食べたいか、服を着る動作よりも、どんな服を着たいかと思う心も大切であると和田社長は考える。

 「本を読むということは、健常者には何ら問題のない行為であるが、障がいを持った方には、また介護する方々にとっても、大変な負担を強いられる行為。この欲求を補助する本を自動にめくる機器が、意外にも世の中にないことを知り、大学のシーズを基にダブル技研のメカトロ技術を駆使することで「りーだぶる」を製作した。
 現在は、多くの方にご利用いただき、喜んでいただいている。また個人以外にも、難病団体や医療現場などから非常に高い評価をいただいている。この「りーだぶる」が、ほんの少しでも、障がいを持たれた方のQOL(生活の質向上)のお役に立てれば、弊社社員一同、幸せに感じる」と社長は語る。

【終わりに】

 現状に満足せず、ハイテク・情報化時代の波に乗り、社員一人ひとりがより一層技術・知識を磨き、人間を磨き、果敢にチャレンジを続けていくことで、クライアントの欲する機器・システム・サービスを、クライアントと共に構築し、同時に良き製品や情報の提供者として有り続けたいというダブル技研株式会社の今後に注目して行きたい。

ダブル技研株式会社
◇住所 神奈川県藤沢市長後903-3
◇代表者名 和田 博
◇設立 昭和52年10月11日
◇資本金 1,000万円
◇従業員 15人
◇業務内容 FA化(工場の自動化、省力化装置)の提案、製作、施工       
大学、研究機関向け実験・実証機器の提案、開発、販売       
福祉機器の開発、販売
◇URL http://www.j-d.co.jp/

●関連施策

 戦略的基盤技術高度化支援事業

 http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/seizousangyou/index.html

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