企業情報

「発想力と技術力で皆の満足を」   
                              〜株式会社イノウエ〜                      

地域経済部 地域振興課

 

 

 女子サッカー選手が身につけたことで一躍人気に火がついたヘアゴム。このヘアゴムで国内シェア60%を誇るのが株式会社イノウエという企業です。 その他にも組みひも、虫除けや静電気除去といった機能のあるブレスレットを製造・販売しています。発想力と技術力を柱に満足を創出するイノウエをご紹介します。   

     

【発想力で成長】

〈ヘップリング〉
イノウエの主力商品であるヘップリングゴム
業界トップクラスの色、バリエーションを取りそろえている。


 もともとイノウエは先々代が地場産業であった製紐業を始めたのがきっかけで、当初は問屋向けに値札や包装資材の紐を製造していました。その後先代がその当時新しくできた製紐業の組合に参加すると、どの業者も同じ顧客と取引をしていることがわかりました。「このままでは先が見えてしまう、今右肩上がりでもいつか製紐業の終わりが来る」と感じ、何を作れば売れるのかを考え、当時白黒しか無かったヘアゴムに思い当たります。世は高度成長期、ファッションに敏感な女性が増えている時代でした。「カラーゴムを出せば売れる」、そう考えた先代は15色のヘアゴムを開発します。当初はなかなか売れませんでしたが、ある百貨店が取り扱いを始めたところ爆発的なヒット商品となります。  次に先代が捉えたのは、当時結ぶという行為が生活から減ってきたことでした。マジックテープが普及し、風呂敷を使う機会が減るなど結ぶ力が弱くなったと感じた先代は、結わかないリング形状のヘアゴムを開発、更に金属でかしめていたゴムの接合部分を髪が挟まっては危ないと接着剤でとめる技術を確立、これもまたヒット商品となり市場を獲得していきます。  このように、イノウエは発想力でニーズを顕在化し、製品開発を行ってきました。  また、この時期に製品が売れることで中間業者からの要求が増えたこともあり、それまでのOEM製品ではなく自社製品としての販売を決断します。ここからイノウエは「沢山作って安く売る」から「少し作って高く売る」へと舵を切ります。OEM製品の方が儲かるのは事実、しかし下請け企業ではいつか会社が立ちゆかなくなると考え、自社の名前を出した製品を売る道を選びます。   

 

【製品開発を支える技術力】

<静電気除去リング〉
静電気を除去する繊維を使った静電気除去リング。
組みひもの技術を活用して開発されたオリジナル商品。

 その方針を支えているのは高い技術力です。前述のヘアゴムの接着技術は継ぎ目がわからないほどの精度を誇り、特許を取得しています。 他にも特許を4件、意匠登録が7件、登録商標が11件と多くの知的財産を保有しています。これは所在する旧津久井町の地場産業であった製紐業の伝統的な技術を生かし、 また常に時代のニーズを見据え日々研究・開発を重ねてきたことの証であり、様々な自社製品開発に結びついています。  先代からバトンを引き継いだ井上社長の下、組みひもの技術をいかして虫除けや静電気除去のブレスレットなど、次々と新商品を開発してきました。

生産装置300台もの製紐機を保有しており、
小〜大ロットまで幅広く対応している。

  また新しくデザイナーを採用し、自社でデザインを行える体制を作りました。これは昨年までJETROの支援を受けて海外展示会に出ていた際に井上社長が、「価格競争では海外展開はできない、海外で戦うためには自社ブランドの高価格帯の製品を開発し、お金を出してもほしいと思わせるしかない」と感じたためです。同時に井上社長は何が一番求められているか、肝の部分はなんなのか、ということを常に考えています。もし髪に跡がつかないヘアゴムができるならシリコンで製品を作ってもいい、と話します。この場合求められているのは材質でなく機能だからです。  このように発想力をもとに製品開発を行い、それを支えるための技術を磨くことでイノウエは成長を続けています。    

    

【三つの満足】

  そんなイノウエと井上社長が現在目指すのが、「お客様の満足、従業員の満足、会社の満足」の三つの満足です。特に井上社長は従業員の満足を考えており、常日頃より「楽して稼ぐ方法を取ろう」と話しています。例えば出荷時に発注表を見ながら梱包すると、あとで顧客から「○○が入ってない」と言われた時に入れたかどうか確認ができません。そこで梱包しながらスキャナで読み取るようにすると、入れ間違いを防ぎ、顧客から問い合わせがあった時に「△△の箱に入っている」とすぐ答えることができます。また読み取ったデータは伝票作成にも使え、手打ちで伝票を作る手間も省けます。このように無駄を省き間違いがなくなることでまず顧客が喜びます。次に問い合わせ対応がなくなり、定時内で仕事が終わって社員も喜びます。そして作業時間が短くなって業務効率が改善し、収益性が上がることで会社も喜ぶ、つまり顧客、社員、会社の三つを満足させることができるのです。  発想力と地場産業を源泉とする高い技術力を背景に、三つの満足の達成を目指すイノウエの今後の発展を期待しています。

社長:3代目の井上社長。三つの満足の達成、海外進出を目指している。

    

株式会社イノウエ    
◇住所 神奈川県相模原市緑区鳥屋750
◇代表者名 井上 毅
◇設立 1928年5月
◇資本金 2000万円
◇従業員数 33名
◇事業内容 ゴムひも・手芸用組みひも製造販売
◇URL http://www.inoue-braid.co.jp/

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