企業情報

伝統的な鍛冶技術を守り農具の製造から修理、使い方までを伝える
                           〜株式会社相田合同工場〜

地域経済部 地域振興課

  株式会社相田合同工場(新潟県三条市)
 株式会社相田合同工場(新潟県三条市)

 新潟県三条市に所在する株式会社相田合同工場。伝統的な鍛冶技術を用いて、鍬等の農具・園芸具を製造しています。全国数多くの農具を製造・修理してきた経験から同社には農具造りの様々なノウハウが蓄積されており、会長の相田忠雄氏は新潟県県央地域の卓越した技術者・技能者を表彰する「新潟県央マイスター」に認定されています。そのノウハウを活かし、使用者の要望に応えた、見た目だけでないこだわりの農具造りをしています。全国的に鍛冶屋が減少する中、同社は鍬の修理に力を入れており、全国から鍬の修理の依頼がきます。修理を行うようになった経緯、農具や農業に対する想いについて相田社長にお伺いしました。

【減少する鍛冶屋】

 相田社長によると、農具を製造する鍛冶屋は昭和20年代前半には全国に2万軒ほどありましたが、現在では1県あたり1軒ほどしか存在していないそうです。その背景には、農業の機械化が進んだことや後継者不足などがあります。鍬の形状には地域性もあり、実に1万種程度の鍬の種類があるそうです。そのうち同社では約4000種類を取り扱っており、その高い技術力から、全国から鍬の修理の依頼があります。では、相田社長が鍬の「修理」というものに着目するようになったきっかけとは何だったのでしょうか?

多種多様な鍬 工場内の様子
多種多様な鍬  工場内の様子  

【農家を訪ね歩く】

 バブル崩壊後の平成不況時、業績が落ち込み先行きに不安を感じた相田社長は、新たなニーズを模索するため、実際に鍬を使っている農家さんに鍬を見せてもらうために全国を訪ね歩いたそうです。その結果、相田社長は世の中には実に多種多様な鍬があること、農具は長年使い慣れたもののほうがいいもののそれを修理する人がいないことに気がつき、「修理」に意義を見出しました。良い農具は修理が必要になるまでに10〜15年ほど使えるものであり、その間使用者も年齢を重ね、変化しています。ただ元通りにするだけでなく、使用者の声を聞きながら、例えば軽くしてみたり短くしてみたりという改良も加えます。農具の製造は、造り手と使い手のコミュニケーションであるともいえます。

【ワークショップの開催】

  ワークショップの様子
 ワークショップの様子

  現在ホームセンター等で売られている鍬は、安全のため刃がついていなかったりと本来の鍬の性能を有していないものも多くあります。そのような鍬は作業能率が低く、農作業者の身体を痛めたりする可能性もあるため、相田社長はそういったことを少しでも減らすべく、鍬の選び方・使い方をレクチャーするワークショップを各地で開催しています。また、そこで得た情報を製品開発にフィードバックしています。こういった取組が認められて、2010年度、2013年度に経済産業省製品安全対策優良企業表彰を受賞しています。

【新たな出会い】

 そのような活動の中で、新しい出会いもありました。奈良の里山で耕作放棄地解消に取り組む方たち向けに相田社長がワークショップを開催した際に、一人の若者が同社の鍬と今まで使っていた鍬との違いに感動し、同社に研修生として入社しました。彼はもう一部の製品を造ることができ、将来は独立したいと意気込みを語っています。

【技術の伝承】

 相田 聡社長
 相田 聡社長 

 相田社長は、伝統産業というものは普段はなかなか意識することはありませんが、いざなくなってみたら多くの人が困る世の中に必要なものと考えています。昔は各地域にあった鍛冶屋がなくなり、遠い地域から同社に修理の依頼がくるといったことが実際に起きています。農業の機械化が進んだ今でも、鍬や鋤といった農具を使う場面は確実にあります。同社はこれからも質の高い農具を製造し、また使い続けた道具を修理でよみがえらせることやワークショップを通じて『本物の』道具・技術を次世代に伝えていきます。

株式会社相田合同工場
◇住所 新潟県三条市田島1−7−4   
◇代表者名 相田 聡
◇設立 昭和24年(1949年)5月
◇従業員 16人
◇業務内容 農具、園芸具の製造販売及び農具、園芸具に関する企画開発
◇URL http://www.kuwaya.com/index.html    

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