企業情報

「時代に合わせて印刷の可能性を模索する」
                                        〜株式会社東光工業〜

地域経済部 地域振興課


 東京都日野市に所在する株式会社東光工業。同社は用紙印刷へのニーズが少なくなる中、印刷における様々な可能性を模索し独自の製品を開発しています。その柔軟な発想から生み出された製品を、どこかで目にしたことがあるかもしれません。高い技術力の秘密と今後の展開についてお伺いしました。

株式会社東光工業本社 工場内の様子
株式会社東光工業本社(東京都日野市)  工場内の様子  
 

【多分野にわたる印刷】

 一口に印刷といっても、主に同社が手掛けるのは「工業印刷」と「デジタル印刷」です。機械の一部となるフィルム印刷やシルク印刷が同社の主力製品です。現在はタッチパネルの光学フィルムの印刷を主に手掛け、スマートフォンやカーナビゲーションを製造する名だたる企業約10社に採用されています。 
 デジタル印刷に関しては、コンピュータの発展に伴い、印刷もデジタル化になるとの先読みで、1995年頃日本で最初にイスラエルのインディゴ社の液体トナーによる「電子写真方式のデジタル印刷機」を導入しました。 POD(プリントオンデマンド)においては、デジタル化と大型化を進めており、他社ではあまり保有していない厚み50ミリまで、最大印刷サイズ1250ミリ×2500ミリまで印刷出来るフラットベッドタイプUVインクジェットとそれをカット出来る高精度カッティングプロッターを導入しました。さらに特殊材料の開発も進めています。

フラットベッドタイプUVインクジェットと高精度カッティングプロッター フラットベッドタイプUVインクジェットと高精度カッティングプロッター
フラットベッドタイプUVインクジェットと高精度カッティングプロッター  

【時代を先読みする柔軟さ】

 創業当初は主に紙への印刷を手掛けていました。しかしあるとき、電機メーカーの方から「ワープロが開発され、紙の印刷は30年後になくなる」との助言から、同社は創業当時の純粋な紙印刷と決別します。そして村上社長自らオフセット印刷機自体を処分する決断をし、ワープロではできない紙以外への印刷、工業用途の機能部品 印刷を手掛けることとしました。社長は当時の動きを述懐し「社員は『社長の頭がおかしくなってしまったのでは』と戸惑っていた」と笑います。
 社長は「印刷業界、特に機械に搭載して機能を発揮する機能製品は時代の流れで変化する。時代の流れに沿った開発が重要」と考えています。この開発力の秘訣は、「できません」とは決して言わないことです。同社には、他社で断られた案件の相談が多く舞い込みます。どんなに難しそうでも、相手の要求を聞き一旦受け入れ、新しい製品・技術にチャレンジすることを第一の目標としています。もちろんこのチャレンジを形にするには、「社員のノウハウと技術力が不可欠である」とも村上社長は語ります。
 その結果生まれた、他社では成し得なかった成果・製品のひとつとして、水没検知シールが挙げられます。

クラス10,000のクリーンルームを完備 主力商品であるエンボスシート・光学フィルム
クラス10,000のクリーンルームを完備  主力商品であるエンボスシート・光学フィルム  

【水没検知シールの開発】

  誤感知の少ない水没検知シール
 誤感知の少ない水没検知シール 

 水没検知シールとは、携帯電話等の水没を変色により知らせるシールです。特殊な紙と食紅を組み合わせる同社の技術開発によって完成しました。携帯電話の裏に貼られた小さなピンクのドットシールは、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。これは、携帯電話の故障保証の適用基準を明確にする必要があったメーカーから、開発依頼を受けたことがきっかけとなり開発されました。同社の水没検知シールは夏場の胸ポケット等高湿度な状況では変色せず、水没した際には変色し、その変色を半永久的に保つという特長があります。  
 この水没検知シールは携帯電話の防水化により受注が減ってきてしまいましたが、車のキーレスエントリーのキー本体・携帯型放射線計測器の水没検知等や、他分野にも展開しています。

【大手企業との出会いと新たな展開】

 このほか、他企業との結びつきによる新たな展開も生まれつつあります。  
 昨年秋に行われた(一社)首都圏産業活性化協会主催の大手企業とのマッチング会で、大手企業から「温度管理が適正に行われていたかチェックするシールを開発できないか」との相談を受けました。同社ではある温度を一定の時間以上超えていた場合変色するシールを考案し試作を重ね、先日特許を出願し取得しました。  
 今後はこのシールを、荷物の定温輸送サービスを行う運輸事業者等に販売促進していく予定です。  
 新規市場を次々に開拓している同社。着実に新たな事業の柱を構築し続けています。  

株式会社東光工業
◇住所 東京都日野市旭が丘6‐11‐19   
◇代表者名 村上 義輝
◇設立 1970年7月
◇資本金 1,000万円
◇従業員 48人
◇業務内容 印刷加工業
◇URL http://www.tokoh.jp/index.html    

過去の「企業情報」はこちら

ホームページへ戻るTOPへ戻る

発行元:
〒330-9715 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地1 さいたま新都心合同庁舎1号館
関東経済産業局広報・情報システム室
電話:048-600-0216    FAX:048-601-1310