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地域を盛り上げる起爆剤〜プロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」と、チームを支える運営会社〜    “株式会社 信州スポーツスピリット”


地域経済部 新規事業課

(株)信州スポーツスピリット 片貝雅彦社長
(株)信州スポーツスピリット 片貝雅彦社長 


 長野県千曲市には、県内初のトップリーグに参戦するプロスポーツチームがあります。それは、日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)(※1)に所属するプロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」です。
 今回は、チームの運営を担う、「株式会社信州スポーツスピリット」(以下、(株)信州スポーツスピリット)代表取締役社長 片貝雅彦氏に、会社設立した年から活用された「エンジェル税制(※2)」やスポーツを通じた地域活性化の取組についてお話をお伺いしました。
 

◆信州ブレイブウォリアーズの誕生

 (株)信州スポーツスピリットは、2010年11月1日、プロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」の興行運営をはじめ、バスケットボールの普及活動を行う運営会社として設立されました。運営会社が設立される5年前の2005年、「長野県プロバスケットボールチーム設立準備委員会」が発足し、bjリーグ参入に向けた活動が始まりました。
 信州ブレイブウォリアーズは4度の新規参入申請を経て、2011〜2012シーズンより、bjリーグへの参入を果たしました。チーム名は、一般公募の結果、信濃国の別称「信州」と、「勇士」(brave warriors)を組み合わせ、「信州ブレイブウォリアーズ」と名付けられました。チームは、長野県全域をバスケの街にすることを目標に「ウォリアーズタウン構想〜バスケットで街おこし〜」を掲げ、「地域活性化」、「スポーツ文化の創造」、「バスケットボールの普及・繁栄」という活動理念の下、地域密着型チームを目指して活動しています。
 信州ブレイブウォリアーズの健闘ぶりを取り上げる地元テレビ、新聞、雑誌などのメディアや、地域住民とチームの選手達が触れ合うイベント開催などを通じて、徐々にチームを応援するスポンサー、また地域住民を中心に個人事業主、地元の経営者などがファンとなっていきました。

 

◆エンジェル税制の活用
 〜エンジェル税制活用を念頭においた会社設立〜

 チーム立ち上げにあたり、地域から理解を得ることと同時に資金調達が必要でした。当時の初代代表取締役社長 鏑木 久氏(現代表取締役会長)は、自身の幅広い人脈を活用し出資を募っていました。
 そのような中、チーム立ち上げの記事を目にした宮越 正士氏(当時(公財)長野県中小企業振興センター エンジェルネットマネージャー)から、エンジェル税制活用の提案を受けました。宮越氏のアドバイスもあり、設立準備総会時から内部の理解を得つつ、エンジェル税制活用を念頭においた準備を行うことができました。
 また、会社設立後は、増資の度に宮越氏から株主へ向けてエンジェル税制の制度案内、利用手続きに関する説明を行うことで、スムーズな手続きを進めることができています。
 同社は、事前確認制度(※3)を活用し新たな出資者の獲得も目指しつつ、会社設立から3年間は、個人投資家の所得額から投資額を控除する優遇措置Aを利用し、会社設立から3年を越えた年からは、投資額を他の株式譲渡益から控除する優遇措置Bを利用しています。

 〜地域をあげたチームへの応援〜

 エンジェル税制の活用を念頭においた会社設立、資金調達を行った結果、会社設立後から現在まで、十数回の出資を募り、スポンサー会社の他、地元企業の経営者、個人事業主やバスケットボールファンの個人など、およそ90者が出資者という形で、チームを応援しています。多くの地元企業の経営者の方々は、出資することによりチームに一層の愛着心が生まれ、出資のみならず協賛という形でもチームを応援しています。その結果、現在の協賛・協力企業や団体は150件にのぼりました。
 さらに、本チームの特徴として、ホームタウンである千曲市が助成金支出(スポーツ・健康都市づくり推進事業業務委託費)に加え、出資という形でもチームの応援をしています。自治体がbjリーグへの出資を行うことは、初の試みだそうです。千曲市では、自治体が出資することで、地域経済効果に加え、他自治体や民間企業がチームに対して出資しやすくなる波及効果を期待しています。このように、チームを支える人達が千曲市地域を中心として広がりを見せると共に、チームが地域の一体感をもたらす象徴的な存在になっていることが分かります。
 片貝社長は、会社設立当初にエンジェル税制を活用したことについて、「地域のための事業としてチームを応援してくれる出資者に対して、利益の出ない段階で、所得控除という形でお返しができ、出資をお願いする側としても良かった。」とお話されています。また、チーム収入の中で協賛金、チケット代を大きな2本柱としつつも、チームのより安定した運営のため、更なる資金調達に向けて、他のプロスポーツチームの資金調達方法も参考にしながら検討を重ねていくともお話されています。

◆今後に向けて
 〜チームを核として強くなる地域の一体感〜

 信州ブレイブウォリアーズは、新規参入1年目、2年目は、プレイオフ進出を逃すも、今期2013〜2014シーズンは、東地区4位となり、プレイオフへ進出しました。
 新規参入した2011〜12シーズンは、ベストブースター賞(一丸となってチームを応援、後押ししたブースター(団体)への賞)を初受賞しています。試合には常時1300名〜1500名の集客があり、地域住民を中心としたファンが試合を盛り上げています。同社を訪問した本年1月に開催された直近の対戦では、2000名を越える観客動員数を記録したとのことです。また試合のみならず、イベントを通じて選手と地域住民との交流の場を積極的につくることで、ファン層を広げることも行っています。このようなチームの活動の結果、千曲市からは観光大使等の各種親善大使の任命依頼や地域の催しの参加依頼が延べ100件を超えています。
 今後も信州の地域活性化へ大きな一躍を担う信州ブレイブウォリアーズの活躍とチーム支える同社の取組に注目していきたいと思います。

試合会場の様子 試合会場の様子
試合の様子  

〜広がるエンジェル税制活用の可能性〜

 今回の(株)信州スポーツスピリットは、地域活性化に貢献するプロスポーツチームを支える運営会社がエンジェル税制を活用し資金調達に成功したモデルケースの一つといえます。また、琉球ゴールデンキングスを運営する沖縄バスケットボール株式会社(※4)も、エンジェル税制の活用で資金調達に成功しています。
 片貝社長においては、bjリーグ全チームの代表者が集まる会議で、協賛以外の資金調達の手法として、チームの活動理念に賛同した方々から出資を募ることができる手法としてエンジェル税制の活用を提案いただきました。
 「スポーツを通じた地域活性化」に関しては注目されて久しくなりますが、他地域においても、事業を運営していく上でエンジェル税制の活用が資金調達の1つの選択肢として浸透していくことを期待しています。

(※1)bjリーグは、地域密着型運営を目指し、初年度2005〜2006シーズンから新潟、埼玉など6チームで発足した国内初のプロバスケットボールリーグです。bjリーグへ参入するためには、様々な条件(運営にかかる事業費の見込や一定程度を収容できるアリーナの有無など)をクリアする必要があります。bjリーグは東西の2地区に分かれており(2013〜2014シーズンは、東地区は11チーム、西地区は10チームの計21チーム)、東西の上位6チームがプレーオフへ進出し、リーグ優勝を目指します。

(※2) エンジェル税制 とは
 エンジェル税制とは、創業間もないベンチャー企業に対して投資を行った個人投資家が、税控除の優遇措置が受けることができる制度です。優遇措置には2種類あります。
 【優遇措置A】創業3年未満のベンチャー企業への投資額をその年の所得額から控除
          (上限1,000万円他)
 【優遇措置B】創業10年未満のベンチャー企業への投資額を他の株式譲渡益から控除(上限なし)。
 なお、エンジェル税制の優遇措置を受けるには、営業キャッシュフローの赤字要件、試験研究費率等の一定の要件を満たすことが必要です。

(※3) 事前確認制度とは
 エンジェル税制では、企業が要件を満たす場合、事前確認書の発行を受け、事前確認書を経済産業省のHPに掲載することができます。この事前確認制度があることで、企業が個人投資家への投資を募る際の説明材料としてご利用いただけます。

(※4)沖縄バスケットボール株式会社のエンジェル税制活用事例
 創業初期の資金調達術(平成22年2月)の事例5
 http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/sogyo/angel/20100203_angel_jirei_5.html

 

株式会社信州スポーツスピリット
◇住所 長野県千曲市大字小島3145-1CODYビル1F   
◇代表者名 代表取締役社長 片貝雅彦
◇資本金 4,270万円(平成26年7月時点)
◇設立 平成22年11月1日  
◇URL http://www.b-warriors.net/    

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