企業情報

煮貝技術の応用〜新たな伝統食品作りへの挑戦〜
                             〜株式会社 湊與〜

産業部 経営支援課


 海の無い、山梨の方々に新鮮な海産物を。株式会社湊與は天正5年の創業以来、海産物を中心とした卸問屋を営んできました。同社は伝統の鮑の煮貝の技術を活用し、「地域産業資源活用事業」の支援を受けながら、新商品を開発しました。
 今回は、同社の取り組みについて、紹介します。

【事業開始の経緯】

 鮑の旨みが詰まった醤油へつけ込む
鮑の旨みが詰まった醤油へつけ込む 

 海の無い山梨県では、魚介類は大変貴重な食べ物でした。同社の6代目藤右衛門は、新鮮な魚介類を山梨まで運ぶ方法として、醤油に魚介類を漬け込む保存方法を確立しました。山梨伝統の「鮑の煮貝」の始まりです。この方法で作られる鮑の旨みが詰まった醤油ダレは、山梨県人の懐かしい味として今でも広く親しまれています。しかし、煮貝の原料である鮑は海の幸であり、地域に利益をもたらすことができないという課題が残っていました。
 山梨県はモモやブドウ等果物の産地として有名です。近年は水や米等魅力ある素材が多いことでも全国に知れ渡っています。一方で加工品については原料の産地であるが故に少なく、特に畜産物に関しては加工品が全くといって良いほどありませんでした。その環境で、同社は県内産の優良な素材に山梨の文化と歴史である鮑醤油を併せた加工品にすることで、素晴らしい商品化が可能となると信じ、取り組みを開始しました。煮貝の技術が地域産業資源に指定されていたことから、畜産物を素材とした新伝統食の開発について、事業計画を策定し、平成19年より5年間、認定を受けて事業を実施しました。

【新商品ができるまで】


 卸売業を本業とし、日々新鮮な食材を扱っているため素材の目利きには自信があります。その目で最初の素材を「キメ細かい柔らかさとほんのり甘みのある」甲州ワインビーフ(ぶどうの皮や種を飼料の一部として育てた牛から取れる牛肉。山梨県甲斐市の地域産業資源)と選定し、新商品の可能性を探っていきました。
 山梨県は昔から山国であるが故に新鮮な魚介類への憧れや、生食への強い拘りがあります。可能な限り生の食感に近づけようと、ローストビーフ風としたことで、素材の旨みを最大限に引き出した、今までにないような商品、「牛肉のロースト 鮑醤油仕立て」が完成しました。

開発した新商品 清潔感のある上品なパッケージ
開発した新商品 清潔感のある上品なパッケージ

 本商品は特定加熱食肉製品ですので、食肉製品製造業として、製造するためには山梨県知事の許可が必要です。開発当時は焼肉店の集団食中毒の影響から、許可取得に時間を要しましたが、その分厳しい規格に合致し、消費者が求める安心・安全な商品作りを追求することができたのです。

【認定機関終了後の取組】

 認定の期間は平成24年3月をもって終了しましたが、同社は現在、開発した新商品をもって大手百貨店を相手に販路開拓の挑戦を継続しています。同時に、山梨の“おごっそう”(昔ながらのおもてなし)のような、普段家庭で食べられている素材を、鮑醤油をキーワードにして県内外へ発信すべく、食材の可能性を探究しています。  

 技術や仕組みの移り変わりが早い現代にあっても食の根本は変わりません。今後も「キッチンサポート&ソリューションカンパニー」として、消費者の夢や希望を叶え、地域に無くてはならない企業で有り続けたいと考える同社は、きっとこれからもおいしくて魅力的、かつ安全な商品を我々に提供し続けていくでしょう。
 

株式会社湊與
◇住所 山梨県甲府市国母6-6-2   
◇代表者名 代表取締役 飯島 忠
◇資本金 40,000千円
◇従業員 28人
◇業務内容 水産品卸売業  
◇URL http://www.minayo-g.com/    

●関連施策
平成20年1月1日〜平成24年2月28日 地域産業資源活用事業計画認定
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chikishigen/nousyoukou/index_noushoukourenkei.html

 

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