企業情報

動物用からヒト用へ、広がる『リゾープス麹』の可能性
                         〜株式会社牛越生理学研究所〜

産業部 製造産業課


 株式会社牛越生理学研究所では、創業者の発見した『リゾープス菌』を用いた動物用医薬品や混合飼料を製造販売しています。様々な効果が期待されるリゾープス菌発酵生産物のヒト用健康食品等への応用を目指す同社の取り組みをご紹介します。

■リゾープス菌の発見と企業設立の経緯

 培養中のリゾーブス麹
培養中のリゾープス麹 

 同社の創業者である牛越郁夫氏は、戦前の台湾にて土壌改良などの研究に携わっており、終戦後にはいくつかの土壌微生物を研究成果として日本に持ち帰りました。その後は土壌微生物の研究を続けるとともに農芸化学関係の仕事に従事し、麹の製造などを行っていました。その際、低温環境にも関わらず麹の製造時にある特定のカビが生えてしまうことがあり、カビが生えた麹は鶏のエサにしていたそうです。
 当時飼育していた鶏は非常に良く卵を産むため知人に鶏を譲ったところ、産卵率が突然低下するということが起きました。これに疑問を持ち調べた結果、特定のカビが生えた麹を与えた場合に鶏の産卵率が大きく上昇することを突き止めました。そして、このカビが台湾より持ち帰った土壌菌の一つである『リゾープス菌(Rhizopus oryzae)』であり、同氏は退職後に周囲からの後押しを受け、この菌の研究や活用を目的とした牛越生理学研究所を設立しました。

■リゾープス麹とその効果

脱毛症状が数ヶ月で改善
脱毛症状が数ヶ月で改善  


 このリゾープス菌を培養した麹から抽出したリゾープス菌発酵生産物には、前述の鶏の産卵率の上昇以外にも、家畜の発情誘導や受胎向上、ペットのホルモン安定化や皮膚疾患改善、脱毛症に対する育毛・発毛効果などがあることが報告されており、同社で製造販売を行っている各種の動物用医薬品や混合飼料は、家畜繁殖・ペット医療などの現場で獣医師から非常に高い評価を得ています。特に犬などで発症する特殊な脱毛症に対しては劇的な改善の見られる症例があり、学会での発表時には非常に大きな反響を呼びました。
 こういった動物の健康に与える効果については学会や学術論文等でも報告されているものの、作用メカニズムについてはほとんど解明が進んでおらず、脳下垂体への何らかの作用により様々なホルモンの放出に影響を与えていると考えられています。また、非常に興味深いことに、同社の保有するリゾープス菌の菌株と、同種や近縁種の菌株とで比較したところ、同社保有の菌株による発酵生産物に特に高い効果があることが分かっています。

■動物用からヒト用への転換

獣医師でもある牛越設男社長(右)と研究開発に携わる専務以下3名
獣医師でもある牛越設男社長(右)と
研究開発に携わる専務以下3名  

 同社の保有するリゾープス菌とその発酵生産物については、獣医学などの動物向けの分野だけでなく、ヒト用の健康食品等としての効果も期待されており、幅広い分野の研究者から注目が集まっています。近年では独立行政法人産業技術総合研究所や麻布獣医学園麻布大学をはじめ、様々な研究機関や企業とともに共同研究を行っています。
  平成24年度には公益財団法人千葉県産業振興センターを事業管理機関としてコンソーシアムを組み、戦略的基盤技術高度化支援事業(以下、サポイン事業)に応募しましたが、残念ながら不採択という結果となりました。その後一年間をかけ、同センターの主導により事業計画のブラッシュアップや実験データの積み重ねを行い、平成25年度にサポイン事業に再度応募し、無事採択を受けることが出来ました。同社は現在、リゾープス菌発酵生産物に含まれる生理活性物質の特定や作用メカニズムの解明、動物用からヒト用の健康食品等への転換に向けて、様々な協力者とともに研究を進めています。
 創業者の言葉である「自由な発想」「自由な研究」のもと、牛越生理学研究所の『リゾープス菌』を活用した取り組みは続きます。

 

株式会社牛越生理学研究所
◇住所 千葉県佐倉市石川601-1   
◇代表者名 代表取締役 牛越 設男
◇設立 1967年(昭和42年)10月
◇資本金 27,000千円
◇従業員 8人
◇業務内容 動物用医薬品等製造業  
◇URL http://www.ushikoshi.com/    

●関連施策
戦略的基盤技術高度化支援事業
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chusho/sinrenkei/index_sinrenkei.html

 

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