企業情報

試作レスによる鋳物部品開発の低コスト・短納期化の実現を目指して
                          〜株式会社伊藤鋳造鉄工所〜                                                      

地域経済部 地域振興課


 鋳物部品の国内生産量が減少し、生産が海外へとシフトする中、海外進出や新たな事業を推進しつつ、鋳造シミュレーションによる高付加価値な鋳物部品開発技術に挑戦中の株式会社伊藤鋳造鉄工所を紹介します。

【事業概要】

 株式会社伊藤鋳造鉄工所は、創業68年目を迎える鋳造鉄工所です。中物鋳物の製造を得意としており、JR向けの鉄道用モーターフレームでは高いシェアを誇っています。その他、建設機械メーカー向けの大型トラック用タイヤホイール(HUB)等も製造しています。
 鋳物は砂を固めて作った鋳型に、溶かした鉄(鋳鉄)を流し込み、凝固させ、冷却するという工程で作られます。鋳型は製品1個ごとに金属製の枠(金枠)に砂を流し込んで固めて作りますが、製品の大きさや数によって多数の金枠が必要になります。同社では独自の水溶性有機自硬性鋳型法という技術を使用して、主に金枠を使わずに鋳型を作ることにより金枠数に生産量が制限されない1個流し、多種変量生産を可能とし、これが同社の強みとなっています。こうした高い技術力から2008年には「元気なモノづくり中小企業300社」にも選出されました。

 建機トラック用リアHUB
建機トラック用リアHUB


【海外進出と国内での新たな事業展開】

 日本の銑鉄鋳物部品の生産はピーク時で年間520万トンでありましたが、現在は年間350万トンまで落ち込んできています。同社では2007年にベトナムに工場を建設し翌年より操業を開始しました。コストを抑えながら多種変量生産に対応できる体制の構築を進めています。日本から中国や東南アジアに出て行ってしまった仕事を、ベトナムで再度吸収したいと意気込んでいます。

 IKI CAST VIETNAM(ハノイ)
IKI CAST VIETNAM(ハノイ)


  海外のマーケットを求めての進出の一方で、同社は国内で新たな付加価値事業の展開にも取り組んでいます。2012年10月に関連会社として潟Aイ・エム・エスを設立しました。ここではNC加工機や、3次元測定器及び鋳造シミュレーションソフトを導入し、機械加工や外注部品の検査から出荷、物流までできるようにし、新たな鋳造技術サービスの提供を開始しています。

■試作レスで低コスト・短納期を実現する高度鋳造シミュレーションシステム
の開発

 さらに事業の中核である鋳造部品製造についても、高付加価値化・競争力強化のための技術開発にチャレンジしています。
 新たに受注した鋳物部品の開発はスピードが重要であり、より早く、より安くつくることが不可欠です。そのため、タイムロスを減らす必要があり、試作段階におけるシミュレーションの高度化に力を入れています。同社では平成25年度に戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の採択を受け、高度な鋳造のシミュレーション技術の開発に取り組んでいます。
 このプロジェクトでは、鋳造中に発生する欠陥の予測や現場のノウハウを盛り込んだシミュレーションシステムを開発し、試作レスの鋳造方案作成を支援することを目標としています。
 さらにこのプロジェクトには伊藤鋳造鉄工所のリーダーシップの下、埼玉、神奈川、茨城、栃木、静岡の鋳造メーカーが参加しており、使い易く、また各社独自の鋳造の現場ノウハウを盛り込むことのできるシステムの開発を目指しています。

 鋳物部品の国内市場が縮小する中で、同社では海外市場や新たな事業展開に積極的な挑戦を続けています。また今回取り組んでいる新技術開発は国内中小鋳物製造業の競争力強化をも目指すものであり、当局も同社の取り組みを支援して参ります。

 代表取締役 伊藤幸司 氏
代表取締役 伊藤幸司 氏



株式会社伊藤鋳造鉄工所
◇ 住所 茨城県那珂郡東海村村松3129番地43(平原南部工業団地内)
◇代表者名 代表取締役 伊藤 幸司
◇設立 1946年2月
◇資本金 1,000万円
◇従業員 98人
◇業務内容 建設機械、車両用モーター、産業機械等鋳物部品の製造及び販売
◇ URL http://www.itofound.co.jp/profile.html    

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