企業情報

 オフィスにいながら身近にリサイクルを
                             〜合資会社オリエンタル〜

地域経済部 新規事業課

 シュレッダー
オリエンタル製ホワイトゴートシュレッダー

 シュレッダー製造のパイオニアである合資会社オリエンタル(群馬県桐生市)と連携企業は、経済産業省の新連携施策を活用し、「シュレッダーで細断された紙」をオフィス内でトイレットペーパーにするリサイクル装置『ホワイトゴート』を事業化しました。今回はその事業化に至るまでの経緯、新連携施策をどのように活用したのか、さらに今後の展望について伺いました。
 

■シュレッダーのパイオニア企業

  同社は、1946年に創業し、1959年に日本で初めてシュレッダーの開発・販売を始めるなど長年にわたり、エコ環境とオフィス環境の改善に取り組んできた企業です。


■主力製品の開発の悩みを解決するために

 同社が「細断された紙の再利用」を考えたきっかけは、同社の事業の柱であるシュレッダーの開発時に行う耐久試験において膨大な量の細断された紙が発生するという問題に直面したことでした。シュレッダー開発の耐久試験では何百キロ、何トンもの紙をシュレッダーするため膨大な量の細断された紙が発生します。しかし、シュレッダーで細断された紙は繊維まで細断されるため再生紙になりにくく、現在でもほとんどが焼却処理に回されています。「この細断された紙を何らかの形でリサイクル出来ないか?更にリサイクルの成果がオフィス内で目に見える形に出来ないだろうか」という発想からこの事業は始まりました。


■細断された紙から何を作るか

 まずシュレッダーで細断した紙から何を作るかを検討しました。当初は、トイレットペーパー、コピー用紙、手拭きタオル、ティッシュペーパーの4つが候補に挙がりました。しかし、ティッシュペーパーと手拭きタオルは、廃棄の段階で焼却処理をすることになり、最終的にはリサイクルにならないと考え候補から外しました。
 さらに検討を重ねた結果、コピー用紙を作るのには水が大量に必要なうえ、高い加工精度が求められます。一方でトイレットペーパーは生活に身近な製品であり、リサイクルをより身近なものとして実感出来ます。そのため、誰にでも身近なトイレットペーパーを最終リサイクル品と決め、リサイクル装置の開発に着手しました。


■装置開発への挑戦

 同社は開発にあたり、最初にトイレットペーパー製造のプロである製紙メーカーに相談し、装置の機構の設計を依頼しました。しかし紙の溶解から乾燥までの工程を一つの機械に詰め込むと、機械の長さが20メートルを越えてしまうことが分かり、「従業員に目に触れるオフィス内で設置利用可能な装置」という目標が到底達成出来ないため、開発を一度は断念しました。
 しかし、その後もリサイクル装置の開発・事業化への情熱が冷めることはなく、群馬大学と技術面で連携して装置を開発し、リサイクル装置の大きさの問題については解決の見通しが立ち始めました。しかしながら薄い紙を製造する技術などの開発に多額の費用がかかることが判明しました。当時は地球温暖化等の環境問題が認識され始めた時期ではありましたが、他方で環境保護・リサイクルを実践するという世の中の意識が低く、装置の導入についてニーズが少なかったためそれ以上の開発は再度見送りました。
 その後、環境保護・リサイクルに対する関心やその実践の気運も高まり、ニーズが見込めるようになったため、再び挑戦を決意しました。そして、経済産業省や群馬県の技術開発向け支援施策を活用して、トイレットペーパーに適した薄い紙を作る技術や薄い紙をロール状に巻く技術など基盤となる技術の高度化に努めました。


■事業化への挑戦

 基盤となる技術を磨いたものの、事業化のために薄い紙を作り続けることや薄い紙を破らずに装置内で搬送してロールにすることなど自社のみでは克服出来ない課題に直面し、他の企業との連携による課題解決を模索しました。
 連携する企業を検討する際には「信頼性」と「企業間の距離」を重視しました。  
 「信頼性」については、新規性の高い開発では情報漏洩が大きな問題となることから、確実な信頼できるパートナー探しのため、信頼できる第三者から紹介を受けるようにしました。  
 また、「企業間の距離」については、開発を計画的にかつ、着実に進めていくためにはタイムリーかつ頻繁に会って情報交換できることが大事と考え、近場の企業と連携することを考えました。  
 それら二つの条件のもと、自社との付き合いが長く信頼できる金融機関・大学などを通じて連携企業を探しました。その結果、制御プログラムやスイッチ等機械制御の開発に強みをもつサンコー電子株式会社と和紙を使った特別な織りにノウハウをもつフジレース株式会社にたどり着きました。そして3社が一同に会した際、「我々が地元の群馬から環境に優しい製品を作る」という想いを共有して意気投合しました。


■新連携施策の活用

ホワイトゴート
ホワイトゴート
(非常にコンパクトなつくりとなっています)

 企業間の取り決めなどを整備しながら連携して、新連携の計画認定を申請し、2008年7月に関東経済産業局から計画が認定されました。
この認定を受け、3社の連携体は新連携の補助金を活用して「ホワイトゴートの事業化」に向けた試作・開発と販路開拓を行いました。
 試作・開発においては、トイレットペーパーを破らずに装置内で搬送する技術を確立するとともに、操作しやすい制御パネルを開発しました。また販路開拓については、展示会に出展して装置のPRと市場のニーズの吸い上げを行いました。2009年5月のNEW環境展に出展したことがきっかけになり、『世界一受けたい授業』や『夢の扉』等のテレビ番組や新聞等のメディアに取り上げられる機会も増え、注目を浴びるようになりました。
 また、2009年7月には、高度な技術的課題を克服し、従来にない画期的な製品の開発・実用化を実現させたという観点から、3社の連携体は「第3回ものづくり日本大賞」で「優秀賞」を受賞しました。


リサイクル社会の実現に向けて

 『ホワイトゴート』は、リーマンショック後の景気の減退時の2009年に発売後、順調に売上を伸ばし始めましたが、東日本大震災の影響に伴う景気の状況で再び需要が落ち込みました。しかし、最近では再び環境保護への意識が高い企業・団体から引き合いが増加し、これまでに桐生市役所や上越市環境衛生公社等に導入されています。
 また、新連携で取り組んだ『ホワイトゴート』の事業化に伴い既存事業の商売への波及効果もありました。他の製品の営業を行う際に「ホワイトゴートの会社」「リサイクルを実践する会社」というアピールができるようになったのです。
 今後の目標は、あらゆる種類の紙のリサイクルが出来るようにすることです。対応できる紙の種類を増やしていくことで、さらに新しい市場が見えてくると考えています。その目標に向かって、販路開拓や装置設置後のメンテナンス等を通じた現場の声の収集に取り組んでいます。また、処理能力の向上、省エネ化等のさらなる改良にも取り組んでいきます。
 オフィス環境の改善とリサイクルの推進に向けて進化を続ける、これからの合資会社オリエンタルにご期待下さい。

合資会社オリエンタル
◇ 住所 群馬県桐生市相生町3丁目800-21  
◇代表者名 代表社員 能澤 孝博
◇設立 昭和27年12月23日
◇資本金 20,000,000円
◇業務内容 製品企画開発、各種機器組付、板金加工、粉体塗装
◇ URL http://orikankyou.com/index.html    

新連携支援
    http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chusho/sinrenkei/index_sinrenkei.html

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