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  ものづくりへのこだわり〜浅野にしか作れないモノを生み出す〜
                                株式会社浅野 

産業部 製造産業課

 昭和28年創立の株式会社浅野は、群馬県伊勢崎市に本社を構え、主に自動車関連部品の試作・生産を行う加工メーカーです。現在では、群馬の他、静岡や京都にも工場を進出させ、主力である自動車関連部品だけでなく、医療機器・光学機器等、様々な分野の部品製造や試作開発も行い、幅広く対応しています。今回は同社の取り組みについて紹介します。


1.独自の経営形態で“豊かさ”を追求

 新建屋
新建屋

 同社では、「豊かさを追求し、求められる企業へ」という経営理念のもと、社員や会社の豊かさを求めるだけでなく、「お客様第一主義」の精神で自社製品を通じて、取引先や地域社会も含めた豊かさにこだわり、追求しています。
 同社では中小企業には珍しく、「アメーバ経営」と呼ばれる経営形態を採っており、全員参画経営を目指しています。「アメーバ経営」とは会社をいくつもの小さなグループに分け、グループごとに採算経営を独立させている経営形態のことです。グループ毎に採算を分けることにより、経営状況をより把握できるようになるとともに、採算が細分化される分、従業員一人一人が経営に参画できる社風につながっています。また、「経営理念手帳」「事業発展計画書」を全従業員に配布することにより、社内で情報共有を図っています。同社では、これら3つを「全員参画経営の三種の神器」としており、経営理念を実現するため、ベクトルを合わせて、業務に取り組んでいます。従業員に高い意識を求めている分、それらを育むための人材育成面も充実しており、こういった側面にも「従業員が安心して働ける企業でありたい」という浅野社長の想いが込められています。


2.試作業界の変化に対応する“技術力”&“提案力”

浅野社長
浅野社長

  同社の最大の強みは“技術提案”といえます。たとえ他社では対応できないような案件であっても、経験豊富な技術者のアイデアや長年蓄積されてきたノウハウを活用し、取引先に対して最良の提案をすることを心掛けています。“試作・金型作成・プレス成形・組立て等を一貫生産できる”という点において、他社と比較しても技術的な強みを持っていることに加え、営業部門のみならず、製造部門も取引先を直接支援するという体制を整えているため、取引先に対する提案が非常に密度の濃い内容となっています。つまり、試作開発の初期段階から量産金型の設計ノウハウを取り入れて設計を行うことが可能であり、初期段階から取引先の意見・要望を盛り込むことで、希望をより具体的に再現することができるということです。実際、自動車メーカーの基礎的な研究段階から設計者等と打ち合わせできる立場にいることが同社に寄せられている信頼性の高さを証明しているといえます。
 試作業界は、文字通りの「試して作る」時代から「短納期で高精度のモノを図面通りに作ることが求められる」時代に変化しており、場合によっては、量産品より良いモノを作らなくてはいけないこともあります。また、海外への流出(現地生産)、各種部品の共有化等、試作開発自体の市場が縮小してきているという事実は否めず、今後もその傾向は加速していくことが予想されます。一部メーカーでは、試作レスに近い流れになってきており、試作業界を取り巻く環境は決して良好とはいえません。
 そのような中、品質・納期・コストに加え、“提案力”が取引先からは求められていますが、技術力に裏付けされた“提案力”が同社の根幹を支えています。


3.新たな技術開発

 経済産業省の平成24年度戦略的基盤技術高度化支援事業に、同社の「熱可塑性CFRPによる車載用大型複雑形状製品の成型技術の開発」というテーマが採択されました。同社は、車載用部材の製作において、量産には適さないという課題がある「熱硬化性樹脂タイプ」から「熱可塑性樹脂タイプ」に需要がシフトしていくことに着目。本テーマは、車載用大型複雑形状製品を既存のプレス機にて製造する技術の開発であり、この技術が確立されれば、「複雑形状に適した大型スタンパブルシート」「3次元形状1分成形(従来の1/10)」等が実現されます。介護用品、ロボットアーム等の自動車以外の製品への展開も見込まれ、川下産業からも大きな期待が寄せられています。 


4.今後の展開

新工場【航空写真】  
新工場【航空写真】

  リーマンショック等により工場再編計画を延期していましたが、平成25年5月、三和工場の敷地内に工場を新設し、群馬県内の3工場(本社工場・三和工場・太田工場)を集約しました。厳しい競争を勝ち抜くために、生産拠点を集約することにより、少しでも輸送コスト等のロスを削減し、生産性を上げていくものです。“部品試作の開発段階から量産用金型まで”を1つの工場内で一貫生産できる体制を整備し、これを強みとし、受注拡大を狙っています。
 また、近年、自動車業界のみでなく、医療業界、産業用ロボット等、“高強度・軽量化”が要求される製品分野は非常に多くなっています。そのため、特定の製品分野にターゲットを絞るということではなく、“高強度・軽量化”というテーマから展開していき、既存の設備・技術力を生かして参入できる製品分野は全て視野に入れ、技術提案を行っていく方針です。
 


5.最後に

 「“ものづくり”の好きな社員が集まっているので、“ものづくり”にこだわり、浅野でしか作れないものを生み出し、国内で存在意義を発揮していきたい。」という話を伺い、“ものづくり中小企業”としての力強い決意を感じました。
 今後も、お客様の期待を上回る製品・サービスを提供し、全従業員一丸となった“提案力”を武器に、新しいことへのチャレンジを期待しています。

株式会社浅野
◇ 住所 群馬県伊勢崎市三和町2718-1  
◇代表者名 代表取締役社長 浅野 誠
◇設立 1953年6月19日
◇資本金 9,000万円
◇従業員 303名(2013年4月1日現在)
◇ URL http://www.asano-japan.com/index.html    

 

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