SNSをきっかけとした契約トラブルにご注意ください

産業部 消費経済課

 最近、消費者相談室では、SNSをきっかけとした契約トラブルの相談を受けることが多くなっています。
 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービスsocial networking serviceの略)とは、インターネットのネットワークを通じて、人と人をつなぎコミュニケーションが図れるように設計された会員制サービスのことを言います。
 SNSでは、インターネット上で気軽に連絡が取れ、趣味や興味のある分野を通じて繋がりを持つことから、話が弾みやすい傾向にあります。しかし、逆にその点を悪用されて、契約トラブルに巻き込まれるケースが後を絶ちません。
 以下、消費者相談室でよく相談を受ける事例を2つご紹介します。

事例1

 相談者は20才代男性で、アルバイトで生計を立てている。SNSサイトで知り合った人から個別にメッセージをもらった。その人は音楽関係者で、自分が好きなアーティストと関係があると言うので大いに話が盛り上がった。何度かメッセージを交換した後、その人が、「私は音楽イベントを主催しているので、一緒に主催者側として頑張っていきましょう。」「会って話をしましょう。」と言うので、どんな話か興味が沸き、指定された喫茶店に出向いた。
 喫茶店で、その人から「有名なアーティストも出演する音楽イベントを主催するので、チケットを買ってほしい。」と言われた。この時初めて「主催者側として頑張る。」という意味が、チケットを購入して転売することだと分かったが、「1,000円で仕入れて6,000円で売れば5,000円の儲けになる。」「チケット1,000枚買っている人もいる。500枚だったら軽いですよ。」と言われ、断り切れなくなり、チケット500枚を購入することになった。
 しかし、自分のアルバイトの収入ではチケット代金50万円なんて到底支払えず、また、チケットを転売できる見込みもない。後日、解約したいと申し出たところ、「チケットは手配されているので解約できない。50万円支払うように。」と言われてしまった。

事例2

 相談者は家庭の事情で働きに出られないため、家でできるビジネスを探していたところ、「インターネットで集客できるビジネスの方法」について書いてあるSNSを見つけた。そのSNSでは、「貴方自身を輝かせ、短期間で稼がせる。」「自分達に任せれば大丈夫。」と書かれており、夢中でそのSNSを読んでしまった。
 興味を持ったので、SNSにメッセージを送ったところ、セミナーが5,000円で行われると返信があり、「インターネットで集客できるビジネスの方法」について聞くために指定された会議室に出向いた。  
 会議室で話を聞いたところ、インターネットで集客するためには、動画サイトに自分の得意なことを投稿し、そこからビジネスチャンスをつかむとよいということだったが、インターネットに詳しくない自分にできるか不安であった。
 しかし、「そのような人のためにビジネスをサポートする契約がある。サポート契約は150万円だ。」と言われた。高額な契約であるが、サポートがあるならやってみたいと思い、その場で申し込んだ。  しかし、契約後、動画サイトに投稿する方法が分からず、その方法を聞いたところ「自分で調べてやってください。」と大変不親切であった。お金だけ払ってサポートが受けられず、契約したことを後悔している。返金してほしい。

◎解説

 【事例1】のチケット販売のケースは、学生や20代の方からの相談が多く、【事例2】のいわゆる「儲かる方法」を教えると言って会議室等に呼び出すケースは、年齢を問わず相談が多い傾向にあります。

 消費者保護の法律である特定商取引法の訪問販売の規定では、呼び出された場所が喫茶店等の営業所とはいえない場所で契約した場合や、販売目的を告げられずに呼び出されて事業者の営業所で契約してしまった場合は、同法で定められた書面を受領した日から8日以内であれば、クーリング・オフ(契約を解除する)ができる場合があります。

 この他、「仕事を提供(あっせん)するので収入が得られる。」と消費者を誘い、「仕事に必要なので商品を購入してほしい。」等と言われて、契約をした場合には、特定商取引法では、業務提供誘引販売取引として、同法で定められた書面を受領した日から20日間はクーリング・オフをすることができる場合があります。

 しかし、チケットの転売や、ビジネスをするためにした契約ということであれば、事業者同士の契約として、訪問販売のクーリング・オフが適用されない場合があります。 また、チケットを仕入れて自分で転売先を見つける契約や、ビジネスサポートと言いながらも仕事の提供(あっせん)がない契約の場合は、販売業者から与えられる業務がはっきりとせず、業務提供誘引販売取引のクーリング・オフが適用されない場合があります。 以上は一般的な事例として紹介していますので、個々の契約によっては、クーリング・オフ等の対象となる場合もあります。諦めずに、まずはご相談ください。

 また、【事例1】や【事例2】の他にも、インターネット上で「簡単に儲かる方法」等と謳って、高額な値段でPDFファイルをダウンロードさせる契約があります。しかし、値段に見合うサポートが無かったり、PDFファイルの中身が「簡単に儲かる方法」とは程遠いものが散見されます。 更に、これらの契約をするにあたって、免許証等の個人情報の提供を求められることがありますが、悪用される恐れもありますので、注意が必要です。 

【消費者へアドバイス】

●まずは落ち着いて熟考しよう。

SNS等でメッセージ交換をすると、お互いの距離が縮まったかのように思えますが、相手がセールス目的で近づいてくる場合があります。メッセージ交換に留まらず、商品や役務の契約を勧められた場合は、その場で契約せず、冷静になった状態で判断することをお勧めします。

●うまい話はそうはない。

個人情報に注意。 インターネット上の「簡単に儲かる方法」には注意が必要です。また、免許証等の個人情報の提供を求められた場合は、その個人情報がどのような目的で利用されるのか、また、本当に信用できる相手かを十分に確認をしましょう。一度インターネットにアップした写真は拡散されたりすると、ほぼ削除できません。

●相談しよう!そうしよう!

このような契約トラブルでお困りの場合は、1人で悩まず、当相談室もしくは、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

■関東経済産業局 消費者相談室
 電話:048-601-1239

■消費者ホットライン(居住地の消費生活センターにつながります)
 電話:188