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「友人を紹介すれば儲かる」と誘うマルチ商法
(平成17年3月)

 ・経済力や社会経験の乏しい若者に、「いいアルバイトがある」と言って販売目的を隠して説明会に誘い、「友人を紹介するだけで、簡単に収入が得られる」等の説明で、資金のない若者に、高額な商品をクレジット契約させる、 いわゆる「マルチ商法」の被害が後を絶ちません。

【事例1】

 20歳の学生だが、友人に「いいアルバイトがあるので説明会に行こう」と誘われた。会場では、会社が扱う健康食品の説明と共に、「友人を紹介するだけで高収入になる。成功すれば月収100万円も夢ではない」とビジネスの説明をされた。アルバイトの説明会だと思っていたので断ったが、長時間執拗に勧誘され、結局入会することになり、30万円の健康食品をクレジットで契約した。しかし、その後友人を誘っても断られるので不安になった。解約したい。

【事例2】

 出会い系サイトで知り合った友人に、「楽しいイベントに行こう」と誘われた。イベント会場では「今後の人生を豊かにするニュービジネス」という説明で、カー用品を取り扱うビジネスに誘われた。80万円のキット商品を契約し、同じように代理店になる人を勧誘すれば、高収入になると長時間勧誘され契約したが、誰も入会してくれず、逆に不審がられた。半年経過したが、収入はなくクレジットの支払いだけが残った。退会を申し出たが、「一緒に頑張ろう!」と言われるばかりで応じてくれない。

【解説】

【事例1・2】の様ないわゆる「マルチ商法」は、特定商取引法(以下特商法)で連鎖販売取引として規制されています。又、2004年11月11日施行の改正特定商取引法で、規制が強化されました。まず、勧誘に先立って、販売目的の勧誘である旨を明示することが義務付けられ、販売目的を隠匿して消費者を呼び出し、公衆の出入りする場所以外の場所で勧誘することは禁止行為となりました。従って、【事例1・2】共に、当禁止行為に該当する可能性があります。【事例1】は契約日から、2週間後の相談であったため、クーリング・オフ(連鎖販売取引のクーリング・オフ期間は、契約書面受領日か、再販売商品受領日から20日間)で解決出来ましたが、【事例2】の場合は、契約から半年後の相談であったため、改正前は、解約が困難でした。しかし、今回の改正で、クーリング・オフ期間を経過した後も、将来に向かって連鎖販売契約を解除できることになりました。又、加入から一年以内で、商品の引渡しを受けてから90日以内であれば、未使用品に限り商品の販売契約も解除することが出来ます。(違約金の上限規定有り)【事例2】の場合は、契約したカー用品は、事業者に預け全く使用していなかったので、改正後の契約であれば、商品と共に中途解約が可能となるケースです。更に今回の改正で、例えば「連鎖販売の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に関して不実告知がなされ、消費者が誤認して契約した場合は、取消が認められることとなりました。しかし、取消が認められるためには、消費者の誤認とそれが事業者の禁止行為の勧誘によって惹起されたこと(因果関係)が必要です。

 「簡単に高収入が得られる」と勧誘されても、収入が得られる保証はどこにもありません。必要でない商品を、クレジット(借金)を組んでまで組織に加入することは慎重にしましょう。

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