日本版キャッチオール規制の導入について

 

平成14年4月1日から施行された日本版キャッチオール規制に対応した輸出管理について紹介します。

 

日本版キャッチオール規制の導入については、大量破壊兵器等の開発が懸念される国や

テロリストへの大量破壊兵器等の不拡散をめぐる世界の状況が、非常に深刻であり、我

が国からの輸出についても、現行規制では規制対象とはならない貨物等が大量破壊兵器

開発の用途に実際に使用されるおそれが現実化しています。

このような状況に我が国として適切に対応するために、従来の規制対象貨物等だけでな

く原則、全ての貨物等について、最終用途・最終需要者の確認を輸出企業に求めるため

の日本版キャッチオール規制を構築(関係法令の改正を平成13年12月28日に公布、

平成14年4月1日から施行)することとなりました。

輸出企業等においては、これまでは一定以上の高性能の貨物・技術等に限って輸出管理を

行っていれば良かったのですが、今後は概ね全ての貨物・技術について輸出管理を行うこ

とが必要となります

 

○現在の輸出規制はどうなっているのですか?

・現在、輸出は、武器や国際輸出管理レジーム(注1)において合意された汎用の貨物・

技術等について、国際的な平和及び安全の観点から輸出規制を行っています。

  具体的には、輸出貿易管理令別表第1の1項から15項に掲げる貨物・技術等の輸出は、

経済産業大臣の許可が必要です。個々の許可申請については、その用途や需要者等について

審査し、問題がないと 判断される場合には許可しています。(武器は原則輸出禁止です。)

 また、国際輸出管理レジームで合意された汎用の貨物や技術のスペックダウン品(注2)・

87品目についても、核兵器や生物・化学兵器、ミサイルの開発等に用いられるおそれのある

場合は、輸出にあたって経済産業大臣の許可が必要となる「補完的輸出規制」

を1996年より導入しています。これらの規制による管理を称して「安全保障貿易管理」

といいます。

 

○規制は日本だけがやっているのですか?

・米国やEUも同様に安全保障貿易管理を行っています。リスト規制品(注3)について

は、日本とほぼ同等の規制が行われていますが、全ての貨物・技術等を対象に、核兵器や生物・

化学兵器、ミサイルの開発等に用いられることを知った場合は、    

輸出にあたって輸出管理当局の許可を必要とする「キャッチ・オール規制」を導入しています。

つまり、日本の「補完的輸出規制」は、米国やEUの「キャッチ・オール規制」に比べ規制対象

が限定されているので、日本が規制の抜け道になってしまうおそれがあったのです。

そこで、今回、「補完的輸出規制」の規制対象を大幅に拡大して、米国、EUと同等の「キャッチ

・オール規制」を平成14年4月1日より導入することとなりました。

 

○「キャッチオール規制」とは何ですか?

・キャッチオール規制とは、規制対象貨物をあらかじめ特定することなく、懸念があれば、

「すべての輸出される貨物又は提供される技術等が規制対象になる」規制のことをいいます。

 

○なぜ、今キャッチオール規制なのですか?

・1998年以降インド、パキスタンによる核実験実施や北朝鮮によるテポドン発射実験に

みられるように、核兵器、生物、化学兵器及びミサイルといった大量破壊兵器の拡散は非常

に深刻なものとなっております。さらに、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多

発テロにみられるテロリストグループが生物・化学兵器や核兵器を入手しようとしていると

の情報があることから、我が国においてもキャッチオール規制を可能な限り早期に導入し、

実施に移していくことが必要になったからです。

 

○日本版キャッチオール規制の仕組みについて、教えて下さい。

・日本版キャッチオール規制は、輸出貿易管理令及び外国為替令の別表第1及び別表の1項

から15項に掲げるリスト規制品目については従前どおりの規制で、変更がありませんので

間違いのないようにして下さい。

キャッチオール規制対象貨物等は16項に掲げられておりますが、原則として全品目が対象

となります。また、規制対象地域も概ね全地域と考えて下さい。しかし、我が国と同じよう

に大量破壊兵器の不拡散政策をとり、厳しい輸出管理をしている、いわゆるホワイト国につ

いては、規制対象地域から外れます。このように、いずれにしてもキャッチオール規制対象

貨物等を輸出等する場合は、経済産業大臣の許可を受けなければなりません。その場合の要

件は次の二つです。

○知っている場合(客観要件)

「輸出者が輸出しようとしている貨物が大量破壊兵器の開発等に使用される
おそれがあることを知っている場合」

なお、客観要件は次の2点に着目しています。

(1)「輸出する貨物の用途」
(2)「輸出する貨物の最終需要者」

○通知を受けた場合(インフォーム要件)

「輸出しようとしている貨物が大量破壊兵器の開発等に用い
られるおそれがあるとして、政府当局から通知を受けた場合」

インフォーム要件の通知は、輸出の時点の前に、輸出者に対し、書面等によってなされる

ことになります。

 

○具体的な輸出取引において、キャッチオール規制に該当するのか該
当しないのか等の相談については、どこに問い合わせればいいのですか?

・今回は主なことを簡単に掲載しておりますが、詳しい内容については、経済産業省

貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易審査課にお問い合わせ下さい。 

○住所  〒100−8901 東京都千代田区霞が関1−3−1
○電話  03−3501−1511(代表) 

 

(注1)国際輸出管理レジーム… 国際的な輸出管理の枠組み。大量破壊兵器関連汎用品
                                           (核兵器関連、生物・化学兵器関連、ミサイル関連)
                                            及び通常兵器関連汎用品に関する国際会合。

(注2)スペックダウン品  … リスト規制品の技術的レベルの低いもの。従来の
                                       16項に掲げられているもの。

(注3)リスト規制品  … 輸出貿易管理令別表第1の2〜4の項に掲げられている大量破壊
                                 兵器の開発等に使用される可能性が高いものとして国際的にリスト
                                で合意され、規制されている貨物。