自動車リサイクル法の概要
- 年間約400万台排出される「使用済自動車」は、有用な金属・部品を含むので資源として有価値であり、従来は解体業者や破砕業者において売買を通じて流通し、リサイクル処理されていました。
- 一方、産業廃棄物最終処分場は新規建設が減り、残余容量も年々減少していることから逼迫の状況にあり、使用済自動車から生じるシュレッダーダスト(ASR)を低減する必要が高まっています。
- また、最終処分費の高騰と、鉄スクラップ価格の低迷によって使用済自動車の逆有償化(処理費用を払って引き渡す状況)が進展しており、従来のリサイクルシステムは機能不全に陥りつつあって、不法投棄・不適正処理の懸念も生じている状況にあります。
- このため、自動車製造業を中心とした関係者に適切な役割分担を義務づけることにより、使用済自動車をリサイクルしたり、適正な処理を図ったりするための新しいリサイクル制度を構築することが喫緊の課題となっています。
(1) 基本的考え方
- 現在、既に業務を営んでいる関係事業者の役割分担を前提としつつ、シュレッダーダスト、フロン類、エアバッグ類に対応するリサイクル環境を整備する。
- 自動車製造業者等における適正な競争原理が働く仕組みを構築する。
- 使用済自動車から生じる最終埋立処分量の極小化を図る。
- 不法投棄の防止に資する。
- フロン類回収破壊法(平成14年10月1日施行)等の既存制度との円滑な接合を図る。
(2) 対象車種
次に掲げるものを除く全ての自動車(トラックやバスなどの大型車やナンバープレートの付いていない構内車も含む)が対象になります。
- 被けん引車
- 二輪車(原動機付自転車、側車付のものを含む)
- 大型特殊自動車、小型特殊自動車
- その他政令で定めるもの
(3) 対象物
次に掲げるものが対象になります。
- シュレッダーダスト(ASR)
- フロン類
- エアバッグ類
複数の機能を有する事業者はそれぞれの登録、許可が必要となります。
(1) 自動車製造業及び輸入業者(並行輸入業者も含む)
- 〈役割〉
「拡大生産者責任」の考え方に基づき、自らが製造または輸入した自動車が使用済みとなった場合、その自動車から発生するASR、フロン類、エアバッグ類を引き取りリサイクルや破壊を適正に行います。
(2) 引取業者
- 〈登録・許可〉
事業所所在地を管轄する都道府県知事または保健所設置市の市長への登録(5年更新)
- 〈役割〉
自動車所有者から使用済自動車を引き取りフロン類回収業者または解体業者に引き渡します。
(3) フロン類回収業者
- 〈登録・許可〉
事業所所在地を管轄する都道府県知事または保健所設置市の市長への登録(5年更新)
- 〈役割〉
フロン類を適正に回収し、自動車製造業者等へ引き渡します。
(4) 解体業者
- 〈登録・許可〉
事業所所在地を管轄する都道府県知事または保健所設置市の市長の許可(5年以上の政令で定める期間毎の更新)
- 〈役割〉
使用済自動車のリサイクル処理を適正に行い、エアバッグ類を自動車製造業者等に引き渡します。
(5) 破砕業者
- 〈登録・許可〉
事業所所在地を管轄する都道府県知事または保健所設置市の市長の許可(5年以上の政令で定める期間毎の更新)
- 〈役割〉
解体自動車(いわゆる廃車ガラ)のリサイクル・処理を適正に行い、ASRを自動車製造業者等に引き渡します。
(6) 自動車所有者
- 〈役割〉
自動車リサイクル費用の負担。
使用済み自動車を引取業者に引き渡します。
●義務違反等に関して●
- 登録・許可を有する適正な事業者への引取・引渡やリサイクル義務を果たさない関係業者については、都道府県知事等が指導、勧告、命令により是正いたします。
- 悪質な事業者は登録・許可の取消や罰則が適用されます。
- 無登録・無許可業者には罰則が適用されます。
- 不適切なリサイクル料金設定に対しては、国が勧告、命令により是正します。
(1) 費用負担方法
「新車購入時」(制度施行後販売される自動車)か「車検時」(制度施行時の既販車)に、自動車所有者がリサイクル料金を負担します。1台の自動車に対してあらかじめ払い込まれたリサイクル料金は、その自動車が中古車として転売される際、中古車の本体価格に上乗せされて次の所有者に転売される
ことを想定しています。
- ナンバープレートの無い構内車については、「使用済みとなって引取業者に引き渡す時」に負担します。
- リサイクル料金については、あらかじめ自動車製造業者等が定め、公表します。
(2)費用管理方法
- 自動車製造業者等の倒産や解散による滅失を防ぐため、リサイクル料金は「資金管理法人」が管理します。
- 「資金管理法人」の裁量権は最小限に抑えられ、高い透明性と公開性が確保されます。
(例)資金運用方法の制限、監査法人による外部監査、事業報告の法定、財務状況の公表、等。
(3)剰余金の扱い
- 輸出中古車につき返還請求が無い、廃車ガラ輸出によりASR処理費用が不要となった等の理由から発生した「剰余金」の使途は下記の通り法律で定められています。
①不法投棄、野積み対応:自治体が処理について代執行した費用についての資金協力
②離島対応:市町村が実施する共同搬出等への資金協力
③リサイクル料金の安全確実な管理等に必要なコストに充当:自動車所有車の負担軽減等
電子マニフェスト制度を導入し、使用済自動車が事業者間で適切に引取・引渡されていることを確認できる情報管理システムを構築します。
〈基本的考え方〉
(1)「情報管理センター」に、各関係事業者が使用済自動車の引取・引渡を行った際、 一定期間内に報告する制度。
(2)現行の使用済自動車管理票制度は自動車リサイクル法施行時に廃止。
(3)関係事業者からの報告は可能な限り簡便化。パソコン等による電子情報で対応す る。紙による報告の場合は「代行入力費」として別途費用が発生する。
(4)一定期間内に報告がなされない場合、情報管理センターから都道府県知事または保健所設置市の市長にその旨の報告がなされることにより、適正な処理が担保される。
(5)自動車製造業者等へのリサイクル料金払い渡し確認としても必須。
- 関係規定毎に法律施行日(平成14年7月12日)から段階的に施行。
- 関係者への引取・引渡義務、リサイクル義務等について→(平成17年1月1日から)
- 解体業者・破砕業者の許可制度 →(平成16年7月から)
- 経済産業省 製造産業局 自動車課
℡03-3501-1511(代)
- 関東経済産業局 環境・リサイクル課
℡048-600-0292
- 環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部自動車リサイクル対策室
℡03-3581-3351(代)