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平成30年関東経済産業局長年頭所感

平成30年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

昨年の管内経済を顧みますと、鉱工業生産活動は輸送機械工業を中心として好調に推移し、雇用情勢も有効求人倍率がバブル期以来の水準まで上昇、さらに、回復が遅れていた消費活動も、株高の影響やインバウンド効果により好転したことで、緩やかな回復基調が続いています。

一方で、我が国製造業は、自動車関連産業に大きく依存する産業構造を抱えております。関東地域においてもこの傾向が強いため、自動車産業への依存構造からの脱却が大きな課題となっております。今後起こり得るEV化やライドシェアの進展、さらには国内需要の減少などの大きなパラダイムシフトを見据えると、中小・ベンチャー企業の新たな分野での需要の獲得など、産業構造の多様性を実現する取組をしていくことが重要です。

そこで、関東経済産業局では、中小・ベンチャー企業の新たな需要の創出や獲得などを後押しするためのプログラムとして「関東経済産業局の戦略プログラム2017」を取りまとめ、重点的に次の4つのプログラムを実施しています。

1.ポストエンジン時代を見据えたオープンイノベーション

自動車部品産業を中心とする中小企業の新分野進出支援として、これまでリーチしてこなかった電池・モーター関連企業とのネットワーク構築を行います。また、航空機・医療機器などの成長分野進出やIoT活用などによる新ビジネス創出等を支援します。例えば、医療機器の分野では、画期的な医療機器開発のために、ニーズ発掘の段階から日本医師会と連携し、医師の臨床ニーズやアイデアの収集を図るとともに、事業化を支援するセミナーを全国で実施しています。さらには、あらゆる分野で大手企業のニーズを取り込むため、大手オープンイノベーション担当と地域支援機関の交流・連絡会を実施し、関東地域大のオープンイノベーションプラットフォームの構築を促進します。

2.社会課題への新たなソリューション

ヘルスケア分野、環境・エネルギー分野等において、官民連携の仕組みを構築し、ビジネスの手法で解決可能な社会課題とソリューションを提供できる企業を結びつけてまいります。また、地方自治体、民間企業などのステークホルダーを巻き込みながら、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に向けた取組を進めてまいります。本年2月には、シンポジウムを開催し、先進事例や支援策について情報発信をしていきます。関東経済産業局が関わった、企業と自治体が連携した取組として、宇都宮市大谷地域の事例があります。地場産業である「大谷石」の需要減といった社会課題に対し、採石場跡地の未利用エネルギー(冷熱)を活用したスマートコミュニティ実現により、いちご栽培や保冷倉庫への熱供給等の新産業創出に取り組んでいます。

3.出会い・自己変容・成長

地域に眠る資源の価値を活かすため、商品プロデュース力に長け、適切な市場につなぐことができる人材をクリエイティブ人材として活用し、新たな需要創出に向けた取組を支援します。例えば観光分野では、昨年11月21日、関東経済産業局は、ホテル・コンシェルジュの組織である「レ・クレドール ジャパン」と「観光振興による地域活性化に係る連携協定」を締結しました。外国人富裕層のニーズを把握するコンシェルジュと当局が連携を強化し、こだわりの地域資源をもつエリアへのインバウンドを拡大する取組を進めます。

4.新事業創出のための経営基盤強化

中小企業の経営強化・新陳代謝促進に向けて、自治体や金融機関等との連携により各種施策を活用し総合的に支援します。

昨年7月に施行された『地域未来投資促進法(未来法)』を活用し、観光・航空機部品など地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野に挑戦することで地域経済を牽引する事業を予算・税制等の支援策を用いて、集中的・効果的に後押しします。未来法に基づき、管内346の自治体が参画する45(全国144)の基本計画に同意しており、地域経済牽引事業の創出を促進してまいります。年末には、ビッグデータや自治体等の推薦を踏まえ、地域経済を牽引する事業の担い手の候補となる地域の中核企業(地域未来牽引企業)として管内528社(全国2148社)を選定・公表しました。関東経済産業局においても、未来法等の関連施策の一元的な遂行力を高めるために、「地域未来投資促進室」を新たに設置し、自治体とも連携を強化して、一層の支援環境の整備を行ってまいります。

地域の中小企業を取り巻く環境では、事業承継問題があります。2025年までに70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人にのぼり、うち約半数が後継者未定と推測されています。昨年12月の税制大綱では、事業承継の際の贈与税・相続税の負担を軽減する「事業承継税制」が今後10年間に限って大きく拡充されるとともに、予算面においても補助金をはじめ支援内容の充実を図ります。関東経済産業局では、各都県に事業引継ぎ支援センターを配置し、専門家の指導の下で早期・計画的な承継支援をシームレスに対応するほか、各都県に事業承継ネットワークを構築し、金融機関、商工団体、士業等の皆様に御協力をいただきながら、面的な支援を強化してまいります。

併せて、当局独自の取組である金融連携プログラムの一環で、中小企業支援の最前線を担っている管内主要地方銀行や信用金庫と、現場の生声や事例等を踏まえた議論を展開し、地域経済牽引事業や事業承継税制等の中小企業支援策の更なる拡充に、地域金融機関と密に連携をして取り組んでまいります。

関東経済産業局では、職員が率先して地域の現場に足を運び、支援の担い手である自治体、産業支援機関、金融機関、他省庁等の関係機関との連携を最大限に活かしながら、その課題解決に果敢に取り組んでいく所存です。

本年も皆様の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。最後に、本年の皆様の御多幸と御健勝を祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

平成30年 元旦
関東経済産業局長 後藤 収

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